これまで述べた、管理がしっかりしているけれども居心地が悪い掲示板ですが、それなりの楽しみ方があります。

 具体例をあげると、あるドラマの掲示板であります。そのドラマは前の同時間帯で大好評だったものの後を引き継いだものです。

 正直言って、原作があって登場人物が万人に知られている実在の人物で親近感・いい先入観があったのに比べると、行き当たりばったりな現代劇です。番組開始前の予告CMで主人公の無駄な元気を見ていやな予感はしていましたが、その通りでした。

 ただ、バックを支える俳優陣はなかなかで、映像の演出も悪くありません。問題は無駄に元気な主人公とつぎはぎ感が強い脚本でした。

 そういう背景があると、得てして掲示板の書き込みは負のパワーに満ち満ちてくるものです。スターウォーズでいう「ダークサイド」のように。

 そこで主流になるのは、ドラマ批判派です。

ドラマ批判派の掲示板の楽しみ方は大体以下の通りです。

1.ドラマの矛盾点を徹底的に探し出して糾弾する。
2.ドラマの登場人物の役柄や脚本の内容(俳優批判は御法度)に対して「どうして私は嫌いなのか」を延々と語る。
3.ドラマ関係者が見ていると思い込んで、天に向かって批判を繰り返す。
4.ドラマ擁護派を挑発するようにできるだけ他の投稿人の直接の批判にならないような文章をひねる。
5.文章力に自信のない人はとにかく先に出た意見に便乗する。
6.投稿が削除されたり受け付けられないことに恨み節を垂れる。

 さらに彼らの楽しみ方として上げられるのは、これだけドラマ批判派が圧倒すると、

7.ドラマ擁護派がつい他の投稿人を批判するような投稿をしてしまうと、削除依頼を集中させて削除させる。

というのも可能です。

 そのため、ドラマ批判派で他の投稿人を批判していても、そちらの削除は遅れたり見逃されたりしていることが多々見られました。

 こういう環境の中でのドラマ擁護派の楽しみ方はというと、以下の通りです。

1.空気を読まないふりをしてただほめる。
2.とにかくいいところをできるだけ見つけてほめる。
3.ドラマと関係なく俳優のファンとしてほめる。
4.ぎりぎりのところで他の投稿人への批判を密かに忍ばせつつほめる。
5.批判派が占めている現状に疑問や不満を語る。

 ただ、IDが複数あれば何度も投稿できるとなれば、

削除覚悟で他の投稿人を批判したりひやかしたりする

という楽しみ方もでてきます。

 批判派も擁護派もその応酬にあけくれて、擁護派がどんどん削除されて、しまいには批判派もごっそり削除されたりする、という風景がリアルタイムで見ると楽しめます。

 では、私はどうやって楽しんだか、というと

 私の場合は擁護派の楽しみ方を選びました。

 最初は、少しでも他の投稿人を批判するような内容を書くと、基本的にはドラマの内容についての批評(悪いとこもあればいいところもある)でも削除されたり、思わぬNGワードにひっかかったのでそれをさがして別の言葉に置き換えるのに手間取る、といったことで戸惑いました。

 その内、削除を覚悟しながら頭に血が上った他の投稿人を諭すような感じで批判したり、辛い評価の振りをして実は評価していたり、辛い評価の振りをして後ろの文章でやたらとムキになって批判する他の投稿人をからかったり、とはまっていきます。

 気がつけば、私もダークサイドに落ち込んでいました。アナキン・スカイウォーカーの気持ちがわかるような気がします。

 しかも掲示板の表に見えるのは、IDの頭3文字「abc******」です。やりたい放題になるような仕組みです。

 ところが、そんな調子に乗っていた私にしっぺ返しが突然訪れました。

 それについては、また次回ということになります。