まず、この匿名掲示板でID暴露の舞台となったところについて語ります。

 その某ポータルサイトには、それはもう沢山のコーナーがあります。文字通り、「掲示板」というところもありますが、今回の舞台は「テレビ」です。番組表だけでなく、番組の内容を軽く紹介したりしていますが、そこに「掲示板」が別名で存在するのです。

 その掲示板は、某2ちゃんねるのようにウイルスコードが張られて見ただけでパソコンがウイルスに感染してしまうようなこともなく、比較的安全なところです。(某2ちゃんねるではウイルスソフトをやってても反応しないウイルスに2、3回やられました。モウコネーヨヽ(`Д´)ノ ウワワワーン)

 そこは管理が厳重に施されています。同じ某ポータルサイトの別の掲示板機能のところはまずい内容もほったらかしになっていることもありますが、そこでは削除が速やかに行われます。そして、NGワードがかなりの数で設定されていて、書き込んでも「不適切な表現があります」と警告が出て送信できないようになっております。

 さらに、その掲示板は厳格な投稿規定があります。「ID一つにつき、一日一回のみ投稿」できます。その投稿では、「シンプルな」好き嫌いや人となりへの批判や非難をしないように、「冷静な」投稿を求めています。そして、番組の登場人物や関係者や「他の投稿人」をけなすのは御法度です。(ここではそのままの引用は避けて、言葉を一部置き換えています)

 また、小さい字で別に注意欄があって、犯罪性のある投稿の禁止を改めて記してあります。投稿者名は匿名で表示されますが、匿名だから犯罪を逃れることは出来ないともあります。

 その匿名とは、某ポータルサイト全体で使えるIDのことであります。こう見ると匿名とは言え、IDを出して全うな意見を交わす場となるかと思われますが、そこに落とし穴があるのです。

 例えばあなたのIDがabcdefgだとしたら、掲示板に「abcdefgさん」と出るのかと思う方も、ここまでの説明では思われると思いますが、実際には掲示板には「abc*****さん」と表示されるのです。

 ここで投稿者は錯覚するのです。「ああ、これは匿名性がとても高い掲示板である」と。

 そして「全うな意見」ですが、先ほど上で述べたガイドラインから外れていなければ逆に何でもいいということになります。「シンプル」でないとは、例えば、「○○が嫌いだ」という短い文章ではないことであり、「冷静な」とは文面上キレていない文章、ということになります。番組の登場人物や他の関係者をけなすのはだめだ(例えば、ドラマの役者や脚本家への直接の批判)については、その番組の内容に関してのけなし(例えば、ドラマの役柄や脚本の内容)は許される、ということです。

 それを前提の上で、普通の掲示板での誹謗中傷よりは言語力が求められる誹謗中傷が可能となります。それに管理者側はその誹謗中傷をある程度は許しています。そうじゃないと、掲示板が繁盛しないですからね。

 とりわけ管理者が警戒しているのは「他の投稿人」へのけなしです。ほかの掲示板で「荒らし」行為がひんぱんに起こるのを防ぐねらいが大きいようです。

 「他の投稿人」へのけなし対策で威力を発揮するのが「削除依頼機能」です。

 掲示板を見ている人(IDを持っています)がそれを通報すると管理人はすぐに対応してくれます。推測ですが、削除依頼が一定数あると管理人が内容をチェックして削除するようです。削除依頼には理由の項目があって、特に個人情報の公開とかまずいものはすぐに削除されます。

 そして忘れてはいけないのが、

 IDは簡単に複数作れる

ということです。

 これにより、投稿は事実上一日に何回でも投稿でき、さらには削除依頼も何回もできることになります。極端に言えば、一部の人が片方の意見を集中的にそれなりの内容で投稿して、それに反発してつい他の投稿人をけなしてしまった投稿に削除依頼を集中させて削除させることも可能となります。

 かくして、

 一見健全な意見交換の場を提供するはずだった匿名性の高いしっかり設計の掲示板システムの中で、とても風通しの悪い事態が繰り広げられることもありうるのです。

 それでも、掲示板の投稿者はそれなりに掟に従いながら楽しんでやっているのです。

 次回は、具体的にそれを語ることにします。