芥川賞のための業務日誌 -3ページ目

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序

仕事に対する意識が足りなかった。謙虚さを忘れていた。

ざんげ。

引きずらないことにして、1日。

池袋でオールナイト上映の「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」を見た。

午前1時20分上映開始にもかかわらず立ち見。

いまだに衰えない「エヴァ」人気がうれしかった。

懐かしいというのが感想。

ミサトが缶ビールを飲み、レイがほほえむ。

シンジの「逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ」。

最初に「エヴァ」を見たのは高校1年。

変わらない。


落ちぶれていたあのころ、自分の無力さを正視できずに

居心地がいい「エヴァ」の胎内に引きこもっていた。

アニメオタクだった。

11年が経ち27歳になるわたしに、「エヴァ」は何を残してくれるだろう。



エヴァ



帰社したら日活から鑑賞券が…。

早く気付けば良かった。


日中はシネカノン配給の「歓喜の歌」の撮影で、埼玉県熊谷市を訪れた。

8月16日に国内最高気温40.9度を記録した猛暑の面影はなかった。


「歓喜…」は第一報の抜きで失敗し、宣伝部の星野氏と悔しい思いをした作品。

それだけに思い入れは十分で、撮影現場に入ったのは2度目。

安田成美のタクトさばきは見事。

「フラガール」のような愛される作品になってほしい。

ゼミ飲み

日曜、学生時代の友人たちと新宿で飲む。

奄美大島でフィールドワークを行った仲間たち。




ゼミ飲み




驚いたことは、右の男性が今年4月に結婚していたこと。

来年には隣の女性も、花嫁になる。

過去に好きだっただけに衝撃的。ダルビッシュとサエコどころの話ではない。


卒業して3年(わたしだけ留年したから2年)。

それぞれの場所で、それぞれの人生を歩いている。

「変わっていない」と指摘されたわたしもそうだ。


当時は、毎日のように研究室の掲示板に書き続けていた。

日記、紀行文、観戦記、私小説…。

誰からも反応されなくても、伝えたくてギラギラしていた。


今はどうだろう…。


目先のことで精いっぱい。ギリギリ。

伝えたい何かを見失ってしまった。


次に再開するときは、いい意味で変わっていたい。


この日、出した映画のネタが奇跡的に頭記事に。

正直評判は芳しくなかったが、面目を保つことができてご機嫌だったはずだ。

だが現在、ネタが尽きて危機的な状況。苦しい。

YAWARA!


この夏最初の休日は、浦沢直樹「YAWARA!」を読む。


いまの会社から内定をもらった04年夏にそろえた文庫。

柔という取材対象とこれ以上ない関係を築いていくスポーツ紙記者にあこがれた。


あれから3年。

「抜き」のはずの映画の写真が小さかったことを引きずっている1日。

かかってきた電話は、きのう取材したハリウッド女優の記事が載っていないという、映画会社からのクレーム。

スポーツに対する情熱は失われつつある。


「これでいいのだろうか」


そんなとき、日刊エヴリースポーツ新聞社の松田記者は輝いている。

6年間追い続けた柔の大一番。

夢見続けた大歓声がそこにある。




YAWARA!


熱い。


そんな感動に出合いたい。