芥川賞のための業務日誌 -2ページ目

世界一周②

8月25日。

ぜいたくなフライトを終え

経由地のシスコに到着したのは現地時間24日午前11時。

同じ東海岸でロサンゼルスは7月に訪れたばかりだったが、ここは初めて。

といっても、空港を歩くだけでその土地の匂いに触れることなんてできない。

ただ空がとても澄んでいた。



トランジットの時間は約1時間半。

預けたキャリーバッグをシスコで受け取らなければならないのか不安になる。

買ったばかりのポール・スミスのやつだ。

ターンテーブルで待っていると、流れてきたのでひと安心。

でも「ガコッ」っと機械的にスロープから落ちてきた時は、

バッグに傷がついてしまわないかと気になった。

昔から小心者なんだよな。



カナダ航空で約9時間のフライト。

機内でのことはあまり覚えていない。



カナダ入国の際、2度の審査が厳しかった。

「商用か」と聞かれ、「イエス」と答えたのが大間違い。

「何しに来た」の問いに「セリーヌ・ディオンに会いに来た」はまずかったかな。

後は「お前は記者か。証拠を見せろ」と疑惑の目を光らせる職員。

とっさに名詞を出したら許してくれたんだけど

あんな日本語だらけのものでちゃんと通じたのかなあ。



夜のモントリーオールは大粒の雨が降ったばかりだった。

肌寒いと聞いていたので、湿気を含んだ生暖かい空気にホッとする。

稲光がきらめき幻想的なモントリオール市街。

やっとこさスポーツ紙5紙の記者らと合流した。



モントリオール

世界一周①

カピバラさん