涙を我慢して生きてきた。
絶対に泣かないと思っていた。

父と母、そして、妹と弟、家族全員から、同時に頭ごなしに否定され続けて育った。

妹と弟には罪がないと思っていたから、私は常に庇っていたし、それは今でも後悔してない。

私一人だけ罪を背負わされても、家族が不幸になるのだけは嫌だった。

絶対に泣かない私は、自殺を図るまで、泣かない強い子だと思われていた。

涙を我慢しすぎた。




ふと気が付くと、私は嘘泣きをするようになっていた。

詳細は省略する。


涙を金のために使った私は、嘘泣きさえも忘れてしまった。

何が本当で、何が嘘の涙なのか分からなくて。

私はまた、泣くことをやめた。


泣くことは苦しい。
だから辛いとき、悲しいときは、ここぞとばかり、笑ってしまう。

なんでだろう?
中学生の時からは、もう既にそうだった。

そんな自分が、何故だか分からないけど、30年ぶりくらいに心から泣いた。
原因はとてもくだらないことだったはずなのに、何故だか涙がこみ上げた。

それからは、旦那には気付かれないように、ひっそりと泣くことを覚えた。

私は愛せないことを諦め、愛してくれる人を選んだ。
私のことを、恐らく一生愛するであろう人を選んだ。

女の人は愛されることが同然だと思っていたから。

だけど私は愛することを放棄したわけではなかった。
本当は愛したいんだって、心から願っている。

そしていつかは、本気で泣いてもいい人と一緒にいたい。

何か最近そう思う。


くだらない感情に振り回されて、道を踏み外した人生でした。
だけどまっすぐな道だけが、正しいわけじゃない。


明けない夜もある。
迷う道もある。

だけど暗闇だって、
月の明かりが照らしてくれるから。



私はいつか、そんな存在になりたいです。