夜回り先生 | 人は財産なり

夜回り先生

水谷先生は言っていた。

これから子供もがどんどん死んでいく世の中が来る。

水谷先生のもとに来るメールは毎年数を増やしているんだ、と。

リストカットをしている子供は全国で100万人を越えているらしい。

毎年、自殺者も増えているようだ。統計のデータの数なんか当てにならないと言っていた。それを遥かに上回るんだと。定められた規定により、自殺になるケースが限られているが、殆どの場合、事実上自殺である。

この現状をうけて、評論家やテレビのやっている事はどうであるか。テレビはまだメディアの役割を果たしていると言えよう。評論家の方は何であるか。水谷先生と全然意見が違っているどころか、涼しい顔をしてテレビに出ているだけではないか。

その分野の知識に少しでもたけているなら、その知識を持って子供達の救済に尽力すべきではないのか。

評論家や教授の方達がテレビでどんな事を言おうとも、今日をさまよう子供達は、何の感銘も受けないし、それによって手に持ったナイフを止める事は無いだろう。

テレビで現代の子供達の現状を語る事が一体、明日こそはと死を決意している子供達の何に響くというのだ。