渦 | 人は財産なり

車の激しいクラクション



向こうから必死に走ってくる犬の姿



そして 僕の叫び声



その3つが混ざり合った時



世界は歪み出した



渦を巻いて 日中の暑さの中



そのシーンだけが渦を巻いて



僕はその場に座り込む



夏の太陽は 犬の死骸をどんどん干上がらせて行く



気にも止めず過ぎ去って行く 激しい車達のエンジン音の中



涙で 見つめてた手の甲が火傷した