ニューアルバム『My Color』が納豆の日(7月10日)に発売となったNegicco。発売からしばらくが経ち、一連のリリースイベントが終了。メイキングDVDやポスター配布といった特典会はあったが、今回首都圏ではサイン会はないようだとやや諦め気味になっていた頃、Negiccoオフィシャルから以下のお知らせが発信された。

 

「9月1日 リリースイベント開催します。

【特典会内容】ネギ券1枚・・・メンバー全員との握手&CDサイン会」

 

会場はららぽーと柏の葉。「やったぜ、最高じゃないか!」とガッツポーズだった。

 

 

サイン会大好き

 


ネギファンになって2年半、首都圏のリリイベは色々な場所に行ったが、去年のららぽーと柏の葉 屋外スペースでのリリイベは格別だった。ミニライブでは3人が客席となる階段を上まであがってきて、中ホールでの客席通路を練り歩くネギッコライブを彷彿とさせる楽しさだった。アンコールがかかり『愛は光』。かえぽが歌いだす瞬間、暗く立ち込めた雲から一筋の光がステージにさし、かえぽがそれに声をつまらせ涙を流した。特典会終了後の締めのご挨拶では、ぽんちゃが天空の城ラピュタ崩壊の呪文「バルス!」を唱え、3人が控え室のドアに消えた瞬間、ドワーとバケツをひっくり返したような雨が降り出した。なんだか神がかったイベントだった。


そんな1年前のことを思い返しながら、今回のリリイベ当日。CD販売が開始される16時の1時間ほど前に会場に到着した。最近、夕方ごろになるとゲリラ豪雨の日が多かったり、この日もいつ雨が降り出してもおかしくない曇り空だった。Negiccoオフィシャルから「悪天候も予想されるため、イベント中でも中断/中止の可能性がございますので、あらかじめご了承ください」というお知らせもあった。屋外の階段に腰かけて、時間まで適当にヒマをつぶした。16時前になり、CD販売の列が作られ始めた。ポツポツと雨が降り始めた。土砂降りまではいかなかったが、皆さん、傘を開いたり、Negi Ponchoを着始めた。

CDを購入し、ネギ券を取得。その後しばらくして「ネギ券、配布上限に達しました。ご了承ください」とアナウンスがあった。

この会場でベストポジションと思っている、階段を15段ほど登った踊り場で開演を待った。地面が雨で濡れてしまったので座ることはできない。ぼーっと立っていると、ネギ友のYさんとNKさんが合流してきた。おふたりは16時に到着して列に並んだものの、残念ながらネギ券枯れになってしまったとのこと。もしも自分がその立場だったら、自暴自棄になり複数枚購入者様(※)に、恨み・つらみ・妬み・嫉みなどの感情を抱いていただろうけど、おふたりは「まあしょうがないですよ」とサバサバしていた。(※今回はひとり2枚までの制限があったので許容範囲。以前、目の前で5枚買われてネギ券枯れに遭ったことがあり、そのときのトラウマがでかいのです。)

ミニライブ開始は17時。その10分前にステージ左側の扉がひらき、3人がふわーと出てきた。衣装は春から継続の各メンバーカラーのワンピース。新衣装ではないのだなと少し意外に思った。「おぉ、すごい!雨やめんでますね」とぽんちゃ。ネギッコライブのときは不思議と雨がやむという伝説は継続だった。リハーサル曲『サンシャイン日本海』ショートバージョンをなごやかに歌い、3人はいったんステージをはけた。


 

リハーサル後の1枚

 


数分後、出囃子『Make Up Prelude』が鳴り、3人改めて登場。

1曲目『キミはドリーム』をかっこよく決めたあと、ぽんちゃの「みなさん、こんにちねぎねぎ!」でMCに入る。「雨やんで、さすがネギッコですねー^^」とお話する。

「いつも楽しいららぽーと柏の葉のリリイベ」というお話となり、「去年はぽんちゃが最後に『バルス!』って言ったら、すごい雨が…」となおちゃんが振り返る。
「あー!まだ言っちゃダメ!」
「そうだった。まだ言っちゃダメよダメダメ。ぽんちゃが言ったら、降っちゃうんだよ。ぽんちゃ、ラピュタ大好きだから効き目があるんだよね」
「そう、ラピュタ愛が強いので、効き目があるんですよー。なのでまだ言いません」
「降り出す前にさっさとやっちゃいましょー!」
「そうしよー!では今日はですね、まだライブでやったことがない新曲を初披露します。聴いてください。『She's Gone』」

ついにこの曲をライブで聴く時が来た。色々な思いが頭をよぎったが、3人の歌と、ぽんちゃの独唱「ひとりのお弁当全然おいしくないから」に引き込まれ、のどかに聴くことができた。続いて『ノスタルジア』。天国な名曲、心地よかった。

 

 

そして『圧倒的なスタイル』のイントロが鳴り、歓喜。なおちゃんがまずステージ下手側から出てきて、左側の階段をあがってきた。踊り場にやってきて、至近距離になおちゃん。歌ってないパートだったけど「なおちゃーん!」コールを送る。続いてぽんちゃがやって来た。至近距離にぽんちゃ。歌ってないパートだったけど「ぽんちゃー!」コールを送る。そしてかえぽ。至近距離にかえぽ。歌ってないパートだったけど「かえぽー!」コールを送る。

展開するパートの前に、3人急いでステージに戻り、客席とともに合唱してラインダンス。気心の知れたNKさん、Yさんと並んでのラインダンスはとても楽しかった。

MC後、最後の曲は『雫の輪』。聴き入った。曲が終わり、「ありがとうございました!」という言葉で3人はステージを去った。「アンコール・ネギ!」が客席から始まったが、スタッフさんが出てきて「今回はこれで終了となります」とのこと。特典会の列が作られ始める。しばらくして3人が出てきてサイン会開始。ポツポツと雨が降り始めた。

スタッフさんの「皆さん、雨に濡れないように」とのご配慮で、屋根のあるほうへ誘導され、S字状の列に並んで待つこと30分ほど、自分の番となった。

 

前回のこの場所での特典会はぽんちゃからだったが、今回はかえぽから。

「こんにちは」と言って、かえぽにCDのジャケットを手渡した。

 

「こんにちは」サインを書き始めるかえぽ。

「このジャケでかえぽが持ってるのは、お湯のみですか、マグカップですか?」

「うーん、どっちだったけなー」

「(自分がはじめて新潟に行ったとき、かえぽが大好きな)白山公園で、(かえぽがベンチに座ってる姿を想像したんです。)かえぽ、こんな感じでお湯のみ持ってお茶飲んでました。可憐でした」。そう話す予定でいたのだが、カッコ部分はすべてすっ飛ばしてしまった。特典会で、長いフレーズを伝えるのは難しい。


「白山公園??? んー???」とかえぽは首を傾げながら、ジャケットをじーっと見つめた。

「かえさん。想像です」

「あー、想像は楽しいですよねぇ」

 

 

One of the greatest artists in the 60's

 

右へ移動。


「なおちゃん、髪の毛、かわいー」

「えへへ、今日は初の試みでお団子にしてみたの」

なおちゃんは、横を向いて、うなじあたりで束ねられているお団子を見せてくれた。

「かわいー」

 

「えへへ、ありがとう! 明日の『夏の魔物』も、色々考えてるんで、楽しみにしててくださいね!」なおちゃんはそう言って、握手をしてくれた。

うっ、と一瞬かたまった。「……た、たのしみにしてます」と答えたが、明日は(いつにでもずらせるが)日曜もやってる歯医者を予約してて行けないのです、と正直なことを言えず、心が痛んだ。

 

 

The greatest artist in the late 70's

 

右へ移動。

 

「おっ、みのるんさーん」

「ぽんちゃー。She’s gone、すごい良かったー」

「好きな曲?」

「うん、大好き……」曲のことを話すと深みにはまりそうな気がしたので、「ぽんちゃのこと」でまとめた。

「……顔が赤くなるから、大好き、今後禁止でーす」

「禁止?!」

「きんしでーす」

「んー……、じゃああいしてます!」

「……おもしろーい」

ぽんちゃは苦笑しながら握手してくれた。サインしてくれたジャケットをもらい、手を振ってさよならをした。


大好き禁止令が発されてしまった。困った。しかし去年の生誕祭で「大好き!」のカードを最初に切り出したのはぽんちゃのはず。これはもしや、ぽんちゃの、ぽんちゃによる、ぽんちゃのための『矛盾、はじめました。』なのか?!

 

 

The gratest group this デケード(ここ10年)



と、気持ちがざわついたが、「しかし大好き禁止令なんて、ラベル100のハイテクだなー、くー、ぽんちゃ」とポジティブにとらえ、スーパーにまにま顔でららぽーと店内へと向かっていると、いつも会釈だけするヲタさんと目が合い、スーパー恥ずかしくなって顔面を素に戻した。



その1時間後、特典会終了。かえぽが最後の人のサインを書き終え、屋根の前のほうへ歩いてきた。そして空を眺め、手のひらを差し出してこう言った。

「雨降ってますね。不思議なものですねぇ」

なおちゃんとぽんちゃもサインを書き終え、前に歩んできて、おしまいの挨拶をした。

 

なおちゃん「ではぽんちゃ、最後のあれをお願いします」

ぽんちゃ「オッケー! じゃあいくよー! バ…」

ぽんちゃは満面に笑みを浮かべ、左右を見渡したのち、言った。

「…ス!」

「あはは〜」やや受けの客席。

「いやはやこれは失敬。ではもう一度、いくよー!バ…」

ぽんちゃは満面に笑みを浮かべ、左右を見渡したのち言った。

「…ルス!逃げろー!」

3人はピューっと小走りで左側奥の扉へ消えていった。



その瞬間、雨がダーッ!と、今回は降り出さなかった。1分ほど待機してみたが、雨はしとしと程度のままだった。また土砂降りがはじまったら本当に不思議すぎる現象になってしまうので、ややホッとした。

 

とは言え、野外でのネギッコライブ中は雨がやんでしまうのは、やっぱり不思議なものですねぇ、なのであった。