最近クラバーだ。行きつけは恵比寿のBatica。
DJ Meguに導かれ、この8ヶ月で3度目のBatica参り。九州のとある町から上京して◯○年、DJ Meguのおかげでようやく東京人になれたような気がする。

DJ Megu当日、会社を15分早退し、恵比寿へ。渋谷で山手線に乗り換え中、誰かが僕の心にこう問いかけた。

「本当にきみはクラブに行きたいのか。ほんとは怖いんだろ?! 帰ってもいいんだよ〜」

揺れた。

でもこの前のBaticaで、優しかったぽんちゃ達(たぶん3人いた)の笑顔を思い浮かべると、やはり行きたい気持ちが勝り、山手線に乗ることができた。

恵比寿に到着し、Baticaへ向かった。路上に40人ほどのミドル男性たち。整理券番号に従い、その15番目ぐらいに割り込ませてもらった。

10分ほど経ち、開場の18時半。2ドリンク代1000円を払って、1Fのバーカウンタースペースへ。2階のクラブスペースへの上り口にはまだロープがかけられていた。定刻なのに狭い店内でもう一度列に並ぶという、まさに奇奇怪なBatica現象を体験することになった。


モニターに懐かしい映画『ミステリー・トレイン』が流れていた。永瀬正敏と工藤夕貴が出ているパートだった。とあるシーンを思い出し、やたらと見たい欲求が高った。でももうそのシーンは過ぎ去っていたらしい。工藤夕貴はすでに着衣でTシャツを選んでいた。

ジム・ジャームッシュの映画はカッコいい。よく分からないけど、なんかカッコいい。それがジム・ジャームッシュ、と思っていた。
海外旅行に行った時、ジム・ジャームッシュ2本立てをやっていて、雰囲気にひたりたく映画館に行ってみた。字幕で見たことがあった映画。ストーリーは知っていた。英語圏の客席は大爆笑していた。笑いのツボがまったく分からない自分にはつらい5時間だった。

その後もしばらく、ジム・ジャームッシュの映画は公開されるたびに観に行った。小粋でやはりなんかカッコよかった。でも毎回、睡魔との戦いだった。なぜこんなに眠くなるんだろうと不思議なぐらいだった。そんなことを重ねているうちに、新作が公開されても映画館には行かなくなった。
でもこうやって「クラブ」で流れているのだから、ジム・ジャームッシュは今もやはりなんかカッコいいのだろう。

その後しばらくして、モニターにWHY@DOLL(ほわどる)のふたりがDJの用意をしている姿が映し出された。

今日の一番手はほわどるだった。

 

Batica 7th Anniversary DAY 4 “奇奇怪怪”
この日のフライヤーとタイムテーブル


タイムテーブルを見た瞬間こう思った。

「DJ Meguは2時間25分後……。なんてえげつない時間割りなんだろう。それまで立ちっぱなんてムリだ」

しかしせっかくの良番。列から離れることはできず、19時ちょいすぎ、クラブスペースはオープンとなった。

ほわどるの2人が「東京は夜の七時」で迎えてくれた。

最後方の3人掛けソファに空きスペースがあった。バッグを置き、自分のテリトリーとして主張することにした。「奇跡だ。ありがとう」女神でもあるDJ Meguに感謝した。

以後ソファに座ったり立ったりして、DJさんたちを見ることになる。


◼️前半戦


ほわどるを見るのは前回12月のBatica以来。前回はK-POP縛りで持ち歌は2曲だけの披露だったけど、今回は持ち歌多めで楽しかった。はーちゃんが前髪を作っていて、かわいい感じになっていた。
 

後ほどほわどるのおふたりも、DJ Meguのプレイを
ずっとフロアで堪能されてました。

次のDJさんはハーフのような女の子。YUKA MIZUHARAさん。ググった。リサーチの結果、水原希子さんの妹さんということが分かった。
座ってしばし休息した。ぼーっとしていると、すべての曲がラウンジように聴こえた。

そのまま40〜50分経過。聴き覚えのある『just the two of us』をサンプリングした曲がかかり、そこから音がタイトでクリアになった。
OKAMOTO'Sのドラマー、オカモトレイジさんにDJが変わっていた。オカモトレイジさん、プライベーツのボーカルの息子さんということは知っていた。
DJとしてどんな活動をしているのだろうとググった。調査の結果、女優・臼田あさ美さんの夫であることが分かった。

「う、う、うらやまC!」
 


前の方でほわどるを応援していたnkさんが合流してきた。nkさんは、前回のDJ Meguでクラブ恐怖症を(たぶん)ともに脱したクラブ仲間だ。ソファに横並びで座り、会話した。

「さっきのDJは水原希子の妹さん」「この人の嫁さんは臼田あさ美」と調査結果を報告した。

nkさんはお返しに、『欅坂46』と『けやき坂46』の違いをつぶさに教えてくれた。『欅』から平手ちゃんがいないのが『けやき』と思い込んでいたのだが、僕は間違っていた!……色々とクリアになった。

場所柄、会話はやはりハイレベルでスリリングだった。

オカモトレイジさんはロック系をかけるものと思っていたが、ヒップホップやR&B系を多くかけていた。

21時ごろになり、気持ちがざわざわしてきた。立ち上がって、入り口のほうを見つめた。

来る。

そろそろ、来る。



パッとドアが開き、淡い光とともにおかっぱ頭の人が入って来た。

「ちょりーす!(※)」

 


DJ Megu、現る(※実際は言ってません)。


さすが、あっという間に場に馴染み、フロア後方で軽く身を揺らし始めた。
自分の場所から2列ほど前。近いようで遠い。まあ前回が、運が良すぎただけだ。後頭部しか見えないけど2メートルの距離にいるだけで嬉しく思えと自分に言い聞かせた。
そのとき「ここならよく見えるよ」と、いつの間にか前列右方に移動していたnkさんに首根っこをつかまれた。
1.5メートル左にDJ Megu。その横顔は淡い光に包まれていて、思わず両手を合わせた。
 

 
「まさにマリア・観音・女神・菩薩ですな」nkさんは言った。

「マリア・観音……、そんなバンドいましたね」

「はぁー?」

「すみません、独り言です」



■DJ Megu

しばらくしてDJ Megu、ブースへと前進開始。

太陽のような笑顔でオカモトコウキさんと言葉を交わし、頭を深く下げたりしている。なんて礼儀正しくて、なんて爽やかなんだろう。こんな清らかなDJ、ダークが売り物のクラブ・ワールドにほかに存在するだろうか!


本日はノーキャップで、ワンピースのようなお洋服。いつものクールさはあまりなく、ずっと張ちきれそうな笑顔でCDJをプレイしていた。

1. ベイビィ・ポータブル・ロック / ピチカート・ファイヴ
2. 新しい恋のうた / Negicco
3. Love Together / ノーナ・リーヴス
4. Dear WOMAN / SMAP
5. エビバディOK? / ONIGAWARA
6. LISTEN TO THE MUSIC / Shiggy Jr.

「パン、パーン」とハンドクラップを促すDJ Megu。曲は知っているけど、タイミングがつかめない自分。「ともにクラップ、逃してなるものか!」眼前に両手を合わせて待ち構えた。じつに自然に合掌へと導かれていた。後光がまばゆかった。
 
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以後、合掌スタイルでずっとDJ Meguを拝むことになる。

7. No Continue / RAM RIDER
8. edge / Perfume
9. おとななこども / きゃりーぱみゅぱみゅ
10. 「ありゃりゃ?」/ 南波志帆
11. love the world / Perfume
12. ダンスに間に合う / 思い出野郎Aチーム

この曲のイントロで、「やったー!」と今日一番の大きな歓声があがった。

DJ Megu「7月10日にニューアルバム出ます! 思い出野郎Aチームさんに曲提供してもらってます!」と告知。

13. ねぇバーディア / Negicco
14. 頑張ってる途中 / 私立恵比寿中学
15. エビネギ・オーライ! / 私立恵比寿中学×Negicco

来年新春、エビ中2マン決定を前祝いしてのラスト3曲。最後に『エビネギ・オーライ!』をかけてくれたのは色々と期待を抱かせてくれた。『ティー・フォー・スリー』後のconnieさんの曲では自分が一番好きな曲だ。音源化を待ち望んでいる。

そして野宮真貴さんジャズバージョンの「東京は夜の七時」で御大・小西康陽さんとDJ交代となった。


■小西康陽さんプレイリスト(抜けあり)

・太陽にほえろ!(ジーパン刑事)青春のテーマ/ 井上堯之バンド
・抱きしめてTONIGHT / 田原俊彦
・TOO SHY SHY BOY!(THE READYMADE CATCHY MIX) / 観月ありさ
・DJ! DJ! ~とどかぬ想い~ feat. YOU THE ROCK / NONA REEVES
・ズルい女 / シャ乱Q
・ロンリーガール / 加藤ミリヤ
・AUTOMATIC / 宇多田ヒカル
・サザエさん一家 / 宇野ゆう子
・ウキウキWATCHING / いいとも青年隊
・Are You Gonna Be My Girl / Jet
・笑っていいとも(小西康陽登場シーン) / MC タモリ

前回同様、ワンコーラスでバンバン曲を変えてゆく。前回初体験でとても面白かったこのスタイル。このあと登場するNOELさん(NOEL & GALLAGHER)の影響で、このスタイルを始めたことをご本人のブログで知った。

・I LUV GOT THE GROOVE/ TINNIE PUNX
・Turn It Up / Ugly Duckling
・Hold on I'm coming / Sam and Dave
・DIRECT DRIVE(THE READYMADE REMIX) / ECD
・インベーダーゲームのテーマ 
・ダンスに間に合う / 思い出野郎Aチーム
・Hello, Goodbye / The Beatles
・Baby Blue(フィッシュマンズ) / Cavemans 
・I Get Knocked Down / Tubthumping 
・Whatever / OASIS
・言葉にできない / オフコース
・さよなら / オフコース 
・大都会 / クリスタルキング

小西さん、マイクを取り「最近バチカでDJできるようになって嬉しいです!ここで『大都会』をかけるのが夢でした」とMC。

時間的にそろそろ終わりだろう。今日は「アイドルばかり聴かないで」 featuring DJ Meguはないようだ。

・星空のディスタンス / ALFEE
・今夜はビート・イット / マイケル・ジャクソン
・アイドルばかり聴かないで / Negicco

『アイドルばかり聴かないで』がかかり盛り上げるフロア。「今日はかけないと思ったでしょ!」とお茶目な小西さん。

視界左側のドアに注目した。1番が終わったあたりでドアがパッと開き、まばゆい光に包まれた人が入ってきた。

「ちょりーす!(※)」
 
リーダー、今回は指一本でほんとすみません。

DJ Megu、現る。(※実際は言ってません)

フロアを前進して、ブースに立つ。マイクを持って「さあ、みんな一緒に!」とコールを促す。次のDJ、NOELさんもブースに入り、準備開始。NOELさん、ダイナミックなルックスが勇ましい。

・Denis / Blondie
・マイ・シャローナ / ザ・ナック
・Fire / Jimi Hendrix
・恋のルール・新しいルール / ピチカートファイヴ
・Helter Skelter / The Beatles

23時がすぎた。小西さん、そろそろ終わる時間。

「残念だけど、そろそろ帰らねば。規則正しい生活、大事だしな」と思った矢先、小西さんがこう言った。

「DJ Meguさん、バックトゥーバックに参加してくれます」

帰れなくなった。



■DJ Megu 対 NOEL

Megu:二人の遊戯 / Negicco
NOEL:FIRECRACKER / YMO
Megu:恋のファンフェアー / 星野みちる
NOEL:Digital Love/ Daft Punk
Megu:サマーヌード(真心ブラザーズ) / 土岐麻子
NOEL:RIDE ON TIME / 山下 達郎
Megu:ルージュの伝言(ユーミン) / MEG
NOEL:ラ・ブーム~だってMY BOOM IS ME~ / カジヒデキ

まさか23時過ぎにこの日の最高潮が来るなんて思いもしなかった。

まずはDJ Megu、激グルービーなNegicco『二人の遊戯』で仕掛け、対するNOELさん、YMOのオリエンタル・ディスコティークなナンバーで軽くかわす。
DJ Megu、「ディスコティークといえば星野みちるちゃんね!」と『恋のファンフェアー』で抗戦。

小西さんはブースの傍らに頬杖をついて、2人のバトルを優しい笑顔で眺めていた。

そして自分も満たされた。
その日星野みちるさんは下北沢でライブをやっていた。久々のバンドライブだったので見たかったのだけど、僕はやはりDJ Meguを選んでしまった。
最後列でぼーっとしながら、時折りみちるさんのことを考えていた。DJ Megu様はそんな僕の気持ちを汲み取ってくれたのだろう。やはり女神。心が広すぎる。

プレイ中に、お三人、写真撮っていいよ(?)とばかりにポーズを決めたり、掌のひらサイズの赤いボールを鼻につけてはしゃいだり。前回は2名ほど赤い鼻のぽんちゃが紛れていたように思えたけど、今日は偶然メグメグもなかったし、やっぱりぽんちゃはひとりしかいないらしい。

23時半ごろ、対決終了。「ありがとうございましたー。楽しかったです!」という言葉でDJ Megu(ぽんちゃ)退散。

ぽんちゃは規則正しい生活を心がけているお方。おそらくダッシュで宿へ戻り、23時55分ごろには就寝したのだろう。
 
早くも布団に入り、幸せそうなMeguさん

その後、NOELさんのDJプレイをしばし観覧。

・Miserlou(パルプ・フィクションのテーマ) / Dick Dale & His Deltones
・Girlfriend / Avril Lavigne
・Big Yellow Taxi / Joni Mitchell 
・夏なんだし / 星野みちる 

なんという安定感。めくるめく楽しい選曲。小西さんも笑みを浮かべ、時折り茶々を入れながらNOELさんのプレイを見守る。

小西さん作『夏なんだし』がかかったところで、「星野みちる、最高でーす!今日は良い日だった。さて帰ろう」と独りごち、暴威の『Young Americans』を背後に聴きながら、Baticaをあとにした。


■家路

恵比寿駅へ向かう途中、富士そばが見えた。ここの富士そばは自分のテリトリーではない。しかし空腹ゆえに店の前で足が止まった。
店内に目をやると、驚いたことにnkさんがざるそばをすすっていた。クラブ仲間がいるなら安心だ。
中へ入って、「お疲れさまでした!」と声をかけた。nkさんは「あぁ、お疲れさま。いやー、楽しかったね。あと2分で終電なんでまた!」と残りのそばを5秒でかきこみ、駅へと疾走していった。

自動ドアを見つめたまましばし茫然としたが、はと我に返り、自販機の前に移動して一番好きなボタンを探した。しかしどういうわけかボタンが見つからない。

おかしい。そんなはずはない。カウンターへ行き、店員さんに訊いた。

「『特選富士そば』ないんですか?」

「あれは終わっちゃいました」

「…なくなったってことですか?」

「そうです」


特選富士そば(うどん)に終わりの時が来るなんて……。

きつねとたぬきと温玉と、カニかま(※)と富士そば特有の酸っぱめのダシが織りなすあの絶品ハーモニー。そこへ「ネギ多め」にしてもらい七味をたっぷり振りかけることによってさらに完璧な食べ物へと近づいていく『特選富士そば(うどん)』に、まさか終わりの時が来るなんて……。(※カニ風味かまぼこ)

「勘違いだ。信じないぞ。きっと恵比寿店だけだ。ここの富士そばはなにかが間違ってる。お客は、合コンで”もうすぐ起業を考えてる”が決め台詞の、細身スーツに2ブロックの『恵比寿男子』な輩ばかりだし……」

 

 後日訪れた新宿店には特選富士うどん(そば)、ありました。

 

ノーオーダーで店を出て、電車に乗った。

帰宅し、急いで寝支度をした。しかし床に就いたのは午前1時ごろ。


「私は毎日0時をまたぐ前に寝るようにしてまーす!心身ともに健康の秘訣です!」

FM新潟『HAPPY MAPPY』で10日ほど前、ぽんちゃはそう言っていた。それ以降僕は午前1~2時に寝るのをやめ、毎日23時55分までには布団に入るようにしていた。

おかげで早く寝つけるようになった。でもなぜか毎日AM5時半に目が覚めるのでトータル睡眠時間は以前より短くなり、毎日毎日眠くて眠くてしょうがない。

でもぽんちゃの言うことは絶対だ。その教えに従順に従っていれば、心身ともに健康になれるのだ。

だかその教えはDJ Meguによって破られた。


僕の生活は、Negicco Meguさんに完全に支配されている。

さすが『ときめきメモリアル』無敗の魔性な女神、めぐ、かわいいよ めぐ。(リーダーはときメモ0勝全敗)