「ネギの産地でこんにちネギネギ2」ツア中ーのNegicco。今回はその合間をぬっての、Schroder-Headsとの2マンライブだった。

場所は、東京下北沢のライブハウス SHELTER。
ここに来るのは約15年ぶり。その頃は、同じく下北に拠点を構えるインディーレーベル、K.O.G.A Recordsのバンドが好きで、その企画対バンライブを見に来たのが最後だった。
今はどうか分からないけど、SHELTERは下北沢では格式の高いライブハウスのひとつで、特にパンク系バンドの聖地という印象がある。
しかしその会場の狭さには、とにかく驚いた記憶があった。

そして今回Negiccoが、そのSHELTERでライブをやる。いまいち想像がつかなかった。

 

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当日、井の頭線で下北沢へ。駅は、人身事故でもあったのか、改札に人がたくさんいて、ザワザワしていた。

19時になり、会場に入る。久々のSHELTERはやはりスーパー狭かった。

整理券番号は良番だった。一番見やすそうな場所を探す。ど真ん中の4列目ぐらいの位置を確保できた。Nao☆ちゃん真正面。初体験でワクワクする。

今回の企画の経緯はよく分からなかったのだけど、開演前に沖縄のOutputというライブハウスの店長さんが登場して、「Output 5周年記念イベント in 東京」と前説してくれた。
店長さんは、5年前に地元沖縄に戻りOutputを始めたが、その前は東京でSHELTERの店長をやっていたとのことだった。

本日は2マンと銘打ってあったけど、オープニングアクトとして沖縄のバンド「空観日和」が出るので、実質的には3マン。
下北沢のあちこちのライブハウスで毎晩行われている、アマチュアの対バンライブとそのテイは変わらない。

空観日和は、若いトリオのバンド。ベースの男性、ギターの女性、ドラムの女性。TシャツにGパンというふつうのルックス。
ギターの女の子はメガネをかけていて、色白でハーフっぽい顔だち。ドラムの女の子は素朴そうな雰囲気。ベースの男性はシュッとしてるけど、沖縄の人らしくちょっと濃いめの顔。
どんな音を出すのかまったく想像がつかなかった。

少しぎこちない感じで演奏が始まる。歌はドラムの女の子。叩きながら、ちゃんと歌えるのかなーと疑念を持ち始めたころ、強いアクセントが入って、えらく音が立ち始めた。
2000年代のUSポストロックを思わせる音だった。無機質なようでいて、こまやかにねじれ、繊細な音をつむぐギターのアルペジオ。低音を響かせながらも、高音を同時に鳴らすベースが、薄くなりがちな3ピースの音の層を厚くする。抑制されたドラムがカツカツと曲を進行させる。
サビで、それが一気に感情を込めた轟音へと展開する。歌も日本語がうまく乗っていて、その世界に引き込まれた。

狭いライブハウス。バンド演奏のときは、客席前方にいると、ステージの内音とスピーカーからの外音を半々で聴くようなイメージになる。
ギターアンプ、ベースアンプ、ドラムの音が間近で鳴っていることに、練習スタジオでの生の音を擬似体験できているような感じがした。
いいなー、と思った。バンドをやっていることを羨ましく思った。

そして音楽に真剣に向き合う女の子。その純粋さは無敵だ。男子は絶対に敵わない、と昔から思っている。
男子がバンドを始めようという動機の根底にあるもの。それは9割方、女子にモテたいという願望だ!

男子にももちろん音楽が好きという純粋な気持ちはあるだろうけど、その気持ちが、モテたいという気持ちの純度を超えることはまずない。
自分もそうだった。そんな昔を思い出した。
でも今もあんまり変わらない。あぁ、モテたい。

空観日和はオープニングアクトということで4曲だけ。最後の曲の前に、ずっと黙っていたベースの男性が「あのー、一言。東京の人は冷たいから、覚悟しとけさー、って親に言われて来たけど、ありがとうございます。みなさん、あったかいすね〜」と言った。
いい曲、いい演奏だった。


続いて、Schroder-Heads。キーボード、ベース、ドラムのトリオ編成。
早めの8ビートを主体とした、かろやかなピアノの音を聴きながら、Negiccoの出番を待った。


Schroder-Headsが終わり、「前につめてください」という係のかたの声が聞こえ、ぎゅうぎゅうになってきたところで、「Make Up Prelude」が流れ、Negicco登場。
前には背が高い人もおらず、2メートルぐらいの距離に、なおちゃんの顔。近い!本当に真正面。

1曲目「光のシュプール」。この曲が1曲目のときは、いつもなにか神聖な儀式が始まるような感じがする。その神聖さを演出するように3人の表情も、ネギの産地ツアーのときよりもどこか緊張した面持ちに見える。

2曲目「RELISH」で、その神聖さから解き放たれたような開放感が広がる。相変わらず気持ちのいいベースライン。

最初のMC。
ぽんちゃ「みなさん、こんばんネギネギ!」
お客さん「こんばんネギネギ!」
ぽんちゃ「もう一回、こんばんネギネギ!」
お客さん「こんばんネギネギ!」

最近のライブで、コール&レスポンスを、もっと、もっと…、と何度も求めがちなぽんちゃに、色っぽさを感じる。

「5周年おめでとうございます!」と始まったMCのなかで、ネギッコが5月21日コニーさんの日に、沖縄でライブやった場所がOutputだったとようやく分かる。「いつも沖縄でお世話になっているOutputさん。店長さんのお話にも癒されましたねー」と話す3人。
そして、Nao☆ちゃん「シュローダーヘッズさんの素敵な演奏にも、皆さん、脳が癒されたようなので、ネギッコで盛り上がって、アドレナリン出していきましょう! 」
アドレナリンを出す、という言葉にしびれる。
かえぽ「と言いつつ、次はゆったりとした曲なんですよねえ。ネギッコあるあるです」

3曲目「土曜の夜は」


4曲目「くちびるにメロディ」

5曲目「私をネギーにつれてって」アドレナリン、噴出!
この曲は不思議だ。リズムが激しいわけでもないし、派手な曲でもないのだけど、なぜかいつもめちゃくちゃ盛り上がる。
正面のなおちゃんと目が合う。しょっちゅう合う。楽しく乗っていると、なおちゃんも楽しそうに笑ってくれる。そんな気になって、なおちゃんをずっと見ていた。かわいかった。
この曲を聴くと、やはり苗場プリンスのイベントを思い出す。曲が終わり、その告知があるのかなと思ったら、
ぽんちゃ「11月11日、新潟県民会館でワンマンライブやります!今日、チケット持って来てます!埋めたいので是非!」とのこと。
ツイッターでも毎日告知が流れてるけど、まだ売り切れてないんだなーと改めて思った。

「今日は、久々の下北沢です。CHAIさんがいっぱいいましたね!」という話もする。
去年5月、下北のライブハウスGARDENで見たネギッコを思い出す。CHAIについては何のことかよく分からなかった。

6曲目「ともだちがいない」。その日のツイッターでなおちゃんは、「待ってて神様〜!って歌った後そのままパタン、って倒れそうになる」と書いていた。この日のなおちゃんのボーカルはどの曲も熱かった。

ぽんちゃんの「後半戦、盛り上がっていきましょう!」という煽りが入り、「よっしゃ、今日はまだたくさんやってくれるんだ!」と気持ちが上がり、7曲目「ねぇバーディア」
ここでもなおちゃんとたくさん目があう。真正面から見るなおちゃんは本当にパペットのなおちゃんに似てるなーと思う。アイ・ラブ・なおちゃん。

 
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8曲目「さよならMusic」。ぽんちゃ「ラストの曲ー!」という言葉にズルッとこける。
2番に入り、「いつも いつも時間が」というかえぽのパート。かえぽ、歌わない。歌詞が飛んでしまったのだろうか。「しまった」という表情もなく、真顔のまま。
なおちゃんが「時を 時を知らせて」から歌を入れる。
ぽんちゃの「みんなも一緒に!」という言葉を受け、客席とともに「あっという間に そうラストコール 次の 次の休みも 君に 君に会えるの? Oh!新潟 超いいな アイドルとかだナァ」を一緒に歌う。
最高だった。さよならMusicは特別な曲。盛り上がりつつも、じっくり聴きたい。一緒に歌うなんて、あとにも先にもないような気がする。特別な体験ができて、うれしかった。

ライブ終了。客電はつかず、「アンコール、ネギ!」がはじまる。

バンドがセッティングをはじめる。Schroder-Headsの機材。キーボードメインのトリオで何の曲をやるのだろう、と興味津々だった。

「アンコールありがとうございます!」という声とともに、ネギッコとSchroder-Headsが出てくる。

しばし、お話。Schroder-Headsのキーボード、シュンスケさんは、その数日前に東京ドームで演奏したらしい。シュンスケさんは「お客さんが近いから、今日のほうが緊張する」とおっしゃっていたのこと。楽屋でそれを聞いたなおちゃんが、「緊張したときは背中を叩いてやると、緊張がほぐれるんですよ。いつもネギッコでやってるんです。なのでシュンスケさん、叩いてあげました。思いっきり。男子並みの力でした。ごめんなさい!」
「(めちゃ痛かったけど、)いえいえ、おかげで緊張ほぐれました。ありがとうございました^^」とシュンスケさん。

ぽんちゃ「ではシュレ、、、」
なおちゃん「芸能界から消されるよ」
シュンスケさん「なぜ芸能界から消されるんですか?」
かえぽ「つまりですね、アーティストさんの名前を間違うと失礼になるから、それにより芸能界から消されるということです」

ぽんちゃ「ではあらためて、シュローダーヘッズさんとネギッコで『愛は光』」
バンドで聴いてみたかった曲。

繊細なピアノから、かえぽのボーカルが入る。かえぽの歌が、ピアノのはかないメロディと絡み合い、出だしから神がかっていた。期待がぐっと高まる。

バックの低音が休符が入らずに、やたらと伸びて聞こえる。ベースの人を見てみると、シンセでベースラインを弾いていた。おや?と思った。
生演奏の「愛は光」、素晴らしかった。1番の途中ぐらいまで…。
あとはベースの音がでかすぎて、自分の耳には歌がまったく入らなくなってしまった。
「あーぁ、せっかくの愛は光が台無しだ。かえぽの下ハモリも、ピアノの音もかき消された……、(そのほか色々ぶつぶつ)」

久々にひとり偏屈になりながら、SHELTERを出て下北の駅へと向かった。
 
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ほんとに下北を占拠していたCHAI。売れた!
 
 
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SSさんの思い出

もう会えないかもしれない、と思っていたSSさんも、この日SHELTERに来ることをツイートで知った。しかしSSさん、小田急線事故のため、電車が止まり、開場時間に間に合わなかった。チケットを知り合いに預けていたこともあり、この日はライブを断念。会えなかった。
帰宅後、本当に「もう逢えないかもしれない」ですね、とDMを送ると、SSさんは「菊池桃子は、唯一写真集を買ったことがあるアイドルでした」と昔の記憶を掘り起こしてくれた。

 

 

SSさん、12.17「meets palettes(ネギ、ルネ出演 )」で待つ!