ピーズの呪いにかかった。

 

6月9日金曜日、友達のたけしくんと武道館に、The ピーズのライブを見に行った。

素晴らしかった。

その土日、ピーズをずっと聴き、ピーズのことをずっとブログで書いていた。

 

「なんて非生産的な休日をすごしているのだろう」

 

そう思った。

 

書いたものを時間を置いて読んでみると、ほぼピーズのことは書いてなくて、たけしくんと僕の恥を晒すだけのような文章になっていた。

 

ごめんね、たけしくん。

でもたけしくんは「アフロ田中みたいだ!」と、あるマンガの名前を引き合いに出して、笑ってくれたようだった。安心した。

 

しかし、気づけばその土日は、Negiccoを一度も聴かなかった。

こんなことは、この1年3ヶ月で初めてだ。

まあしょうがない。それぐらいピーズは良かったのだ。

 

 

ピーズのライブの前日の話になるが、会社で、鶴の一声により、席替えが行われることが急遽、決まった。

木曜日、私物を段ボールに入れて、同僚に任せた。

金曜の終業後に席替えが行われるとのことだったのだが、その時点では席はまだ決まっていなかった。

 

そして週が明け、月曜。会社に行った。

 

2年ほど前に意を決して転職したのだが、今の会社は活気があって、明るくて、なんだか仕事も楽しかった。

なのに、なぜだろう?

新しいフロアのこの席は、どんよりとグレーがかっていて、今までとまったく違う世界に感じた。

 

仕事の内容は以前と変わらないのに気分が重い。やる気が出ない。

 

なぜだ?

 

周りを眺めて、はっと気づいた。

キラキラ女子がいない。

 

自分を含め、周りが40代以上の人ばかりになっていることに気がついた。

 

前の席と違い、このフロアにはキラキラ女子がひとりもいなかったのだ。

キラキラ女子たちは、お客さんが出入りするフロアにまとめられたらしい。

そうか、今までなんだか知らないけど、楽しくて、やる気があったのは、あのキラキラ女子のおかげだったのだ、と気づいた。

20人ぐらい好きな女子がいた。でもひとりもいなくなった。

気分は重かった。

 

その日、帰宅してポストを開けると、役所から封筒が届いていた。

仕事の都合上、今年3月に初めて確定申告をした。そして、幾ばくかの還付金を得て、ラッキー!と思っていた。

がしかし「もしや、これは・・・」とイヤな予感がした。

 

恐るおそる、封を開けてみた。

地方税。還付額の4倍返しを食らっていた。

 

夏に向け、ネギッコのイベントも連発であるし、フジロックも行く予定だというのに。

お先真っ暗だ。

 

ピーズの呪いだと思った。

 

翌日、会社を少し遅刻した。

目覚まし時計の電池が切れていて、鳴っていなかった。上司に軽くたしなめられた。

 

「これはいかん、明日はちゃんと早めに出社しよう」と思い、目覚ましの電池を入れ替え、音が鳴るのを確認し、寝た。

 

起きると、いつも電車に乗っている時間をはるかにすぎていた。

会社に体調不良と連絡し、休んだ。

 

ダメ人間、という言葉が思い浮かんだ。

 

「まあ、世の中なんてそんなもんだよ。しょうがねーよ。しょせん、うまくいかねーんだよ」とダメ人間万歳みたいな曲ばかり聴いていたせいで、脳がそれを受け入れ、悪いほうへ、奈落の底へと引きずり込まれていってるような感じがした。

怖い。ピーズを聴くのはしばらくやめにしようと思った。

 

その日からNegiccoをフル回転させた。

 

「脳の扁桃核を刺激し、快楽物質を発生させる状態にもっていかねば!そうすればすべてはうまくいく。やはり大事なのはワクワクだ!」と、キラキラ女子はフロアにいないけど、Negiccoパワーで徐々に調子は取り戻せたような気がした。

 

でもまだ本調子ではない。

 

「ぺろりん先生に会いに行けば、完全復活を果たせるかもしれない。」そう閃いた。

 

たけしくんとのやり取りで、ぺろりん先生の写真「彼女と〇〇なう」にはとてもお世話になり、そのため、ぺろりん先生に愛着が沸き、ぺろりん先生に会ってみたくなっていたのだ。


先生の術中にまんまとハマった。 


そして金曜日、ぺろりん先生に会いに、タワレコ新宿店に行った。

 

ぼくのアイドル・セカンドは、星野みちるさんかアイドルネッサンスに捧げようと思っていたのだけど、そのお相手は、まさかのぺろりん先生が所属するグループ「ベボガ」となった。

 

8月に発売されるというベボガの限定CDを予約し、2000円を支払い、2枚の特典会の券を得た。

 

ミニライブが終わり、まずは券1枚の人向けの、メンバー全員との握手会が行われた。

その後、券2枚が必要な個別チェッキ会。

 

5人のメンバーがいたが、ぺろりん先生の列と、他の4人をひとまとめという列に、完全に分断された。ぺろりん先生の人気は圧倒的だった。

 

「これはなかなかきついな・・・」と4人を不憫に感じつつも、ぺろりん先生のチェキ列に並んだ。

 

でも根っからのファンのかたは4人のほうに並んで、好きなメンバーと楽しそうに写真を撮り、長めに話していたので安心した。自分を含めた、にわかファンの多くがぺろりん先生の列に並んでいたようだ。

 

列の後方、こう考えていた。

 

「余裕だ。おれは、かえぽとNao☆ちゃんに鍛えられている。」

 

いつもかえぽとは ” さー、どっちが先に出る? " みたいな無言の禅問答を繰り広げ、その後Nao☆ちゃんからは予期せぬ言葉を先に発せられ、うろたえたところでタイムアップ。

そして、ぽんちゃに救ってもらうという流れを、何度も経験している。

 

「ぺろりん先生、おそらくまだまだひよっこ。恐るに足らず。」

 

自信はあった。

 

 

自分の番が次となった。急に心臓がバクバクしてきた。

この初デートのような、行きたいような、行きたくないような感覚。

” なんだよ!結局、いつものネギのときと同じになってるじゃないか! "と、自分の過信をあざけっていたところで、先生との2ショットとなった。

 

「初めまして、よろしくお願いします!」とまず言った。気持ちは弱々だったが、なぜか元気だけはよかった。ぺろりん先生になめられてなるものか!という意識が働いていたのだ。

 

ぺろりん先生は同じく「初めまして。よろしくお願いします」と仰って、横に立ってくれた。

「では一番決めのポーズでお願いします!」と自分が言うと、先生は「んーどうしよう?」としばし悩んだ上で、なにかしらのポーズを取ってくれた。

 

そして先生がチェキになにかしらを書き、その時間でしばしお話しした。

 

「どうもありがとうございます」と先生がまず仰ったと思う。

 

先生の前歯に、オレンジ色の口紅がついていた。突っ込まざるを得なかった。

「歯に口紅ついてますよ」と言うと、先生は

「そうなんですよー。すごいついてるみたいですね。私、歯に口紅がつきやすくて、いつも歯に色がつかないリップを使ってるんですよ。でも、今日それが切れちゃって」

と恥ずかしそうに微笑んだ。かわいかった。

 

ぼくは「ぺろりん先生の写真で友達と遊んでたら、ぺろりん先生に愛着が沸いてきて、ぺろりん先生に会いたくなって来ました!」と言うつもりだった。

 

でも実際には「ぺろりんの写真を見たら、ぺろりん(先生)に会いたくなって来ました!」と、予定の言葉をかなりすっ飛ばしたことしか言えなかった。

(先生)をつけていたかどうかは怪しい。無理やり後づけしたような記憶だ。

「先生」は絶対につけるべきだと思っていただけに、失礼極まりなく思い、瞬時に「しまった」と悔いた。

 

「お名前は?」と先生に聞かれたので、” ぺろりん " に対抗して考えてきた名前を言った。

「みのるんです!ふだんはネギヲタやってます!」と、やはり気合だけはみなぎった声で答えた。ちなみにネギッコの3人にはまだ名前を名乗ったことはない。

 

先生は「ネギッコさん、私も大好きなんです。初めて買ったCDはネギッコさんで、よく聴いてます」と仰った。

 

「ほんとですか!いつか共演を!」と言うと、先生は「はい、いつか!ネギも書いときましたよ。ありがとうございます」と仰って、イラストが書かれたチェキをくれた。

 

その日、自分が着ていたジャケットとペンの色がかぶって、はっきりとは見えなかったけど、イラストには確かにネギが書かれてあった。

 

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” さすが、先生、天才!なんて気がきくんだーー! " と感動した。


「ありがとう!サンクス!」と自分でも想定外の英語まで飛び出し、やはり元気だけはよく返事して、その日は帰った。

 

電車に乗り、写真を見て、ぺろりん先生の歯についていたオレンジ色のリップを思い出した。

そういえば1月のかえぽの振替サイン会で、かえぽもオレンジ色のリップをつけていたなーと思い出した。

 

ワクワクが戻ってきた。やはりアイドルは楽しい。

 

Negiccoが見たい。

 

ネギッコ浅草5656会館でのライブ、FC先行は外れた。明日が一般発売だ。

明日ネギが出演するやついフェスは、行くかどうか、まだ決めていない。

5656会館のチケットが入手できなかったら、行こうと思っている。

ワクワクのご利用も計画的に行わないと、破綻してしまう。

 

明日10時、すべてが決まる!