久々にNegicco以外のライブを見に行った。
ORIGINAL LOVEがオーガナイズするイベント「Love Jam 2」。

ネギッコファミリー1のロックンローラー、田島貴男さん。
ネギの外部関係者のなかでは、SNSでも一番絡みがあり、頻繁にライブにかけつけてくださるお方。

先日のFM新潟「ネギスタイル」終わりのCMで、オリジナルラブ夏のツアー新潟公演が宣伝されていました。
そのつながりと、今夏に向けて、色々な思いがつのってきたので、いつものように自己満足だけど、思いのたけを書いてみようと思いました。


田島さんの存在を知ったのは、ピチカートファイブに入ったころ。当時、女子たちは田島さんにメロメロで、男子から見てもクールでカッコよかった。ピチカートとオリジナルラブを聴いていれば、なんかおしゃれでモテそうとも思っていた。でも両者とも根底にある精神は、ただのおしゃれではすまされないことは明白だった。

その頃、友達の女子から、メジャーデビュー前のオリジナルラブの曲を集めたカセットテープをもらった。
曲は、ニューウェーブ的なものが多くて、とくに「Orange Mechanic Suicide」という曲は、XTCみたいだけど、本家よりかっこいいんじゃね?!と思ったぐらいだった。
数年前に発売された「RED CURTAIN (Original Love early days)」というアルバムでそのほとんどが聴けるようになったけど、何曲かそのカセットにしか入っていない曲があった。

うち1曲はライブ録音のもの。
田島さん「あー、浅野温子に捧げる、"抱きしめたい"」という曲紹介のあと、「ダバダバダバッダー ダッパダッパー♪」というボーカルで始まり、でたらめな英語がずっと続く。
ジャージーだけど、なんかロック。なんてかっこよくて、なんておしゃれな曲なんだと思った。
フリッパーズギターの「恋とマシンガン」が出た頃、絶対この曲を引用してると思ったけど、その他にも色々引用はあったみたいだから、今となってはそこはなんとも言えない。

アシッドジャズを基調としたファーストアルバムはとにかくよく聴いた。
「Orange Mechanic Suicide」はアルバムの雰囲気に合わせ、バラード調にリアレンジされていた。あまりピンと来ず、前のアレンジのほうが圧倒的に好きだった。

その後、オリラブは「風の歌を聴け」ぐらいまで聴き、しばらく離れた。
2000年ごろに「ビッククランチ」が出たころにまたフォローし、しばらくして離れ、
2011年に「白熱」が出た頃にまた聴きだして、しばらくしてまた離れた。
「エレクトリックセクシー」が出たあとの2014年ごろはフォローしていなかった。

そして2016年2月ごろ、ぼくは「Tパレ感謝祭2015」の動画(ニコ動で中継されたもの)でネギッコに衝撃を受けることになる。

そこで「光のシュプール」を聴き
「これ、まんま” Winter's Tale ”じゃないか!! 」と、ひっくり返りった。
「Winter's Tale 〜 冬物語」は、田島さんと高野寛さんの90年代の共作曲だった。

画面には” テンション貴男 ”という文字列が走っている。ワケが分からなかった。

後日、ネギのCDを手にして、楽曲を手がけていることを知った。

ネギッコの野音ライブのDVDも見た。
ゲストで登場した田島さんは、たしかに異様に” テンション貴男 ”で、夜なのに
「こんにちネギネギ!!!」を連発していた。

ネギのNHKホールのライブの日には、公園通り上の交差点で、ポークパイハットをかぶった田島さんをお見かけした。握手してもらおうかとドキドキしたけど、やはり気が小さいので声はかけられなかった。
でも今や、ツイッターで、ネギメンバーとともに田島さんをフォローし、その絡みを当たり前のように確認する毎日となっている。

2011年アルバム「白熱」の前は、田島さんの姿をお見かけすることは少なくなって、テレビでたまに見かけても「接吻」ばかり。「これ、懐メロ扱いなんだろな。田島さんもなんか元気ないし」と思っていた。そのころ田島さんはアルバムを出せず、苦悩していたという。

でもメジャーをスパッとやめて、インディーに切り替え「白熱」を出したころ、たまたまスチャダラパー共演の「カミングスーン」の動画を見た。
その吹っ切れた感じがとても清々しくて、歌詞も「アールグレー、ミルクはいれないで」とか「真夜中に長電話してモリッシーの話で時間も忘れるほど」とか、もうたまらなく心をくすぐられて、またオリラブ追っかけ期に入った。
 

 

 「白熱」は大好きなアルバムになって、ライブにも行った。でも、そのときのライブはリズム隊が、後ノリのモッサリした感じで、キレを感じることができず、正直あまり好みではなかった。
しかし、ネギに絡み出した後のライブでは、ドラムがノーナリーブスの小松さんに変わっていた。ネギッコでは「さよならMusic」「光のシュプール」でおなじみのドラマーさん。
これは期待できると思って、16年夏のライブに行こうとしたけど、時すでに遅し。チケットは売り切れ。
残念だったけど、さすが自力でまた人気を取り戻したんだな、とうれしく思った。

そして今回、イベント「Love Jam 2」でバンドでやると知って、行こうと思った。
でも対バンイベントはそんなにチケットをあせって買う必要がなさそうだったので、まあそのうちと思っていたら、田島さんから思わぬツイートが。

「今回ドラムはさのっちです!」

「ひぇー!!」と驚愕し、速攻でチケットを購入した。
佐野康夫さんは、ぼくが一番好きなドラマーさんだ。

佐野さんの存在は、YUKIを通じて知った。ジュディマリのころは声質も曲も苦手な感じだったけど、ソロになって「JOY」のころからなんとなく気になっていた。ためしにベスト盤を借りて聴いたら、すごく好きになって、しばらくよく聴いた。
そこに「ドラマチック」という早めの8ビートの曲があり、「なんかこの曲のドラム、超かっこいいー。なんだ、この炸裂感?!」と思いクレジットを見たら、佐野さんの名前があった。
「この名前、見覚えがある、確か…」と、オリラブの過去のアルバムのクレジットを見ると「風の歌を聴け」以降、たくさんの曲に佐野さんの名前があった。

今回のライブ、「風の歌を聴け」の曲を中心にやるとのこと。これはやばい。
「The Rover」「It's a Wonderful World」あたりは必ずやる。でもこの予告、そのうえ佐野さんがドラムということは「Two Vibrations」もやるということを暗示しているように感じた。


「Two Vibrations」。今でいうところの田島さんのソウルパワーと、佐野さんのドラムが爆発する曲だ。
あれを生で見ることができるのかと思うと、想像しただけで鳥肌ものだった。

当日。今回のぼくの使命はオリラブの曲のどこかでネギライトを振ることだった。お約束で「接吻」はやるだろうから、雰囲気的にもそこかなと思ってはいた。
しかし、頑固そうなオリラブファンにひんしゅくを買いはしないかと、ひとりドキドキしながら、会場へ行った。

 

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Zepp DiverCity。4月にネギのツアーファイナルがここであるんだなーと思うと、ステージを見るだけで、感慨深くなった。

この日の対バンは、the band apartとSCOOBIE DO。

the band apartは初見。歌詞は英語、なるほど、という感じ。
最近知ったけど、ネギとも共演したことがあるらしい。シュールな共演だったろうなと思う。

SCOOBIE DOは、デビューしたころ、渋谷のエッグマンで見たことがある。ガレージ系のイベントだった。確かにガレージっぽさもあったけど、なによりファンクバンドであることがかっこよかった。
ボーカルの人が「デビューしたころ" チンピラ版オリジナル・ラブ "と評されたことがあって、光栄でした」と言っていた。

その日は、当時よりさらにファンキーで、お客さんを包み込む感じにあふれていて、かなりの盛り上がりとなった。

そしてオリジナルラブ。
1曲目「The Rover」、2曲目「It's A Wonderful World」。
久々に生で聴く田島さんのボーカル、はじめて生で見る佐野さんのドラム。しょっぱなからしびれまくり。
この2曲、佐野さんドラムで完成したトラックを聴いたとき、田島さんは「世界一かっこいい曲ができたと思った」とのことだった。

ギターはもちろん木暮さん。黒革ジャンに細身の黒いパンツ。白いバックライトを浴びてギターを弾く木暮さんは、2013年のフジロックで見たthe Cureのベーシスト、サイモン・ギャラップの姿を彷彿とさせた。
以前、田島さんと木暮さんの「俺たちニューウェーバー」と題された対談で、おすすめアルバムとして、田島さんがEcho & the Bunnymen、木暮さんがthe Cureのアルバムを挙げていたのを思いだす。

数曲後、ベースからはじまる曲。
後ろのほうから、「やばい」「やばい」と何人かのささやく声が聞こえる。
ついに来た「Two Vibrations」。

最初は比較的抑えめだったけど、徐々に上り詰めていき、サビ。
田島さん、佐野さんともに、ありえないほど爆発した。まさにふたりのバイブレーションが重なりあって、いきっぱなしの数分だった。
今日のライブはまちがいなく、Original Love featuring 佐野康夫 & "Two Vibrations"だった。

佐野さんは、曲の締めでちょっとしくって、悔しそうな顔をしたけど、それがなんだかかわいかった。
そのあと「Let’s go」をやり、いったんライブは終わった。
8曲。短いなと思った。アンコールで「接吻」や「夜をぶっとばせ」をやるだろうと思ったけど、「今日はけつかっちんなんで」とアンコールはなし。
ネギライト出せなかった!悔しい。でも最高だった!

佐野さんは、そのドラミングからは想像できないほど、細くて、優しいお顔をしている。とにかく音がデカいけど、正確無比、すごく謙虚なお方で、曲を最大限に引き立てるドラマーと言われている。
あちこちに引っ張りだこで、なかなかオリラブでは叩く機会がないのだろうから、今回はものすごく貴重な体験ができたと思う。

※佐野さん。優しいお人柄がにじみでております。

 

佐野さんは、ここ数年、大晦日ちょうど0時ごろにかけて、aikoの後ろで叩いている姿をテレビで拝見できる。aikoのうねうね上下するボーカル、それを支える佐野さんのしなやかなドラム。そりゃ、aikoさん、佐野さん離さないよなーと納得できる。でもたまにオリラブでも叩いてほしい。

そしてできればNegiccoでも。

Negiccoは、小松さん、mabanuaさん、玉田豊夢さんと、素晴らしいドラマーさんがいつも華を添えてくれている。
ここに佐野さんがいつの日か入って、バッキバキのクラブチューンを人力で叩いてくれることを夢見ている。

オリラブの夏のツアーのチケットは買った。ドラムは小松さんかなと予想している。小松さんのドラムも楽しみだ。



そして今年のフジロック、小沢くんの出演が決まった。小沢くんはもちろん好きだけど、実際のところはアルバムをたまに聴く程度。ライブには行ったことがない。

とはいえ、録画しておいたMステでの「ぼくらが旅に出る理由」。
イントロが鳴った瞬間、どわーと多幸感。ストリングの音があまりに気持ち良く、空中浮遊へと導かれた。

でも歌が始まると、昔と変わらずあまり上手くはなくて、「小沢くんなんも変わってないじゃん~」と泣きそうになった。
これがフジロックで見れるんだー、と思うと心がざわついた。

コーネリアス小山田くんは、アルバムをいつも楽しみにして、ライブもたびたび行っていた。ここ何年かはYMOやMETA FIVEで激かっこいいギターを弾いてくれている。

でもコーネリアス名義でのライブを最後に見たのは「SENSUOUS」が出たころの国際フォーラム。もう10年近く経つ。
あのライブは違う意味でものすごく記憶に残っている。嫁と行くつもりでチケットを2枚買ったけど、そのライブの前に嫁はいなくなった。チケットは見知らぬ人に譲り、当日、その見知らぬ人が隣には座っていた。
そんなことを久々に思い出し、年月の早さに、今、しばし呆けた気持ちになってしまった。でもそんなことはもうどうでもいい。
今のぼくには、遠距離だけど、Nao☆ちゃんとぽんちゃとかえぽがいるさ!先日テレビで見た「ザ・ノンフィクション」のきよちゃんさんと気持ちはおんなじだ。

話を戻し、なんとなく気になっていたフジロック2日目。
コーネリアスの出演が決定した瞬間、行くと決めた。チケット売り切れを恐れ、第二弾先行発売日にHMV渋谷店で直で購入した。でもさほど焦る必要はなかったみたい。
苗場に行くことはもうないだろうと思ってたのに、冬も夏も行くことになった。

フリッパーズギターの文字がタイムテーブルに出ることはまずだろう。
でも1曲は、どちらかのステージのゲスト出演で実現すると思っている。
そのときの曲としては「バスルームで髪を切る100の方法」がまず思い浮かんだ。

アルバム「カメラトーク」は、曲順が春夏秋冬で永遠にループするイメージを持っている。「バスルームで髪を切る100の方法」は夏まっさかりのころの曲だ。まさにフジロック向き。
先日、アイルネの石野理子ちゃんも、フリッパーズでは「バスルームで髪を切る100の方法」が好きです、と言っていた。

この言葉も、その実現へのさらなる後押しになるだろう(か?)。

ここはいっそオリジナルラブもフジ2日目に登場しないかなあ、と思ったりもする。
自分にとって音楽が一番楽しかった1991年あたり。あの頃の気持ちを、ネギッコのおかげでぼくは奇跡的に取り戻すことができた。

そして、あの頃の主役だったフリッパーズギターとオリジナルラブが同じ場所に集う、そんな奇跡が見てみたい。