連載から年月は経っても、まだまだこれからだといわんばかりに2回目のアニメ化がされる作品があります。そのひとつが『メイドインアビス』。

 

 

 

 

第1期は2017年7月より9月まで放送されておりました。アニメ放送開始は2022年。来年ですね。この作品の魅力は冒険心をくすぐる背景描写と、なかなか類を見ない苛烈な残酷描写にあります。背景は「巨人の杯」の背景が一等好きです。平和な場所なら実際に行ってみたい場所。「タマウガチ」とかいうトラウマ製造機がいなければ! 奴が生み出した残酷描写は罪です。だって主人公「リコ」ちゃんの腕がザクザク切られるハメになったのはタマウガチのせいですからね。あの描写は生々しかった。
しかし、罪でもメイドインアビスをさらに面白くさせているのも事実……うーん度し難い!

私がこの作品に触れるようになった切っ掛けは「ミーティ」と「ナナチ」というキャラクターです。
最初に観たのは森の美しい景色の中、ナナチがミーティを殺された時に大声を上げて泣いた場面。
「メイドインアビス」の世界観も何も知らない当時の私は、ロボットのような少年「レグ」が桃色の生き物(ミーティ)を殺した瞬間、兎のような少女(ナナチ)が大泣きをする理由がわかりませんでした。「オイラの宝物」と叫んだ時点で察しがつきましたが! そこまでに至った経緯はレグがナナチにミーティを殺してくれと頼まれたからのようでした。
どう見ても人間の形を成しておらず、どこか歪な生き物であったミーティ。さらに経緯をたどると、ミーティーもナナチも元は人間で「ボンドルド」の実験台にされた被害者であることが分かりました。「ボンドルド」……どこかで聞いた名前ではありませんか? その二つ名は「黎明卿」「新しきボンドルド」。黎明卿ってロマンあふれる響きだな!と思いますが人を平気で実験台にするボンドルドなので、二つ名の由来もなかなかのものでした。
道理でナナチもミーティもボンドルドを異様に恐がってるし、あの結末になってしまったわけです。ミーティの外見を見た時はびっくりしましたが、その訳も分かった時には「おのれボンドルド」になりますね。あのナナチの泣き声は今でも忘れない。初見でも涙腺に来ました……。

そしてボンドルド、彼の目的というのは「アビスの探求」です。約1900年前に南ベオルスカの孤島で発見された直径約1000メートル、深さ不明。本作の舞台となるその巨大な縦穴に彼は引き寄せられました。

「アビス(奈落)」であるだけに無事では済みません。

特にこの作品で特徴的な世界観のシステムは「アビスの呪い」。この呪いの存在が探窟家たちの命を常に脅かしております。その呪いの厄介な現象は「上昇負荷」によって始まるもの。文字通り、大穴のアビスから上昇しようとすると掛かる負荷の事ですね。まだまだ深度が浅い第一層では地上に戻ろうと上昇しても眩暈や吐き気が出ておしまいです。が、それ以降となると再起不能になりかねない致命傷を負うことになるのでボンドルドはそれを克服するべく、あらゆる研究を重ねています。そしてようやくその手段を見つけたのですが、大体の人がご存知の通り「人道的な方法」ではありません。

そんな非人道的な方法は許さない、けれどロマンは分かる……とマッドサイエンティストな彼に言ったのは主人公の「リコ」。
奈落の底からのメッセージを受け取って、行方不明の母親を探しにアビスに「レグ」と共に旅をしている少女です。一言で言うと、常人に見えてぶっ飛んでる超人。肉体的な意味ではなくて精神的な方の。腕が麻痺して親指しか動かなくなってもまだ動く、冒険を続けられると進むことを考えますからね。ボンドルドにも、「貴方はどちらかというとこちら側」と言われる程までのアビスへの探求心を発揮していきます。
まあセーブ役兼サポート役にレグとナナチがいるので安心ですね!……多分。

もう一人の主人公「レグ」は機械人形として動いており唯一、上昇負荷……アビスの呪いを受けません。同時に記憶喪失中で、過去の自分の事は一切覚えていないというもどかしい印象の強いキャラクターです。リコからはきっとレグは奈落の底から来たのだと推測がされていますが、合ってると思います。構造を見る限り。少なくとも人の子ではないし、それしか考えられないですね。レグがやってきた奈落の底とは一体どんな場所なのか、記憶喪失の相乗効果でとても気になりますね。深く潜れば一生出られないアビスであるのならば、最奥に到達した時の結果も相応の物でなければおかしい。
今後の展開に期待しつつ、2022年の2期を待ちましょう。1期をご存知ではない方もまだ遅くありません。まだ予習しても間に合います!1期を1話でも視聴してくれることで、あなたがメイドインアビスという世界に興味を持ってくれれば幸いです。

P.S.不動卿のオーゼンさんを見逃さないでください!