卒業、そして旅立ち。 | 未来日記2

卒業、そして旅立ち。

卒業式が行われた春分の日はあいにくの雨だったが、
式は無事にスムーズに、終了した。


在学中、担任の先生には
R12と親友のS12は特に迷惑をかけた子供だった。
その2人が、誰よりも寂しそうに、激しく泣いていた。

先生も、
その2人を抱きしめる時が
一番辛そうに泣いていた。


僕としては、

立派に成長してくれて嬉しい涙と、

急ぎ足で成長して親から離れていく寂しい涙。

これが入り混じった、
産まれて初めて味わう不思議な涙だった。



そしてR12は、
昨日から一人、ハワイ島の友人の家に旅立った。

初一人飛行機で、
初一人海外。

ほとんど緊張もせず、
サクッと笑顔で出かけていった。

電車のおもちゃに一人で乗っただけで泣き叫んでいた子供が、
手荷物検査のゲートを、一人笑顔で潜り抜けてゆく。


ああ、やっぱり、
子供は日々成長しているんだなあ。


親と遊びたがるのも
あともう少しだけだと思うと、
なんとも言えない寂しさが込み上げてきた。


R12は、僕の人生を変えた男の子。
23歳でまだ子供だった僕に、
色々教えてくれた男の子。

その可愛い男の子が、
自分達から離れていってしまう。

そう考えると、
理屈抜きで、やっぱり寂しい。


大きくなってくれて嬉しいし、
離れていくのは寂しい。

これが偽りなき感情。


このところ急激に進む時計の針に、
少しだけ自分の心が置いていかれている気がする。

これも時間と共に、
また馴染んでいく感情なんだろうか。