【「仙石時代上田城及城下町之図」(左)などを展示した企画展】

 

 

【本丸から出土した櫓の屋根瓦】

 


 

 

 上田市二の丸の市立博物館は「仙石忠政入封400年 叶うのか、7つ櫓の復元―上田城復元の歩みとこれから…」と題した”秋季企画展”を開いている。

 

 

 昭和の上田城阯保存会による南櫓と北櫓の移築復元や平成の上田・城下町活性会による櫓門復元運動などを、写真や絵図などの資料で紹介した。


 上田市は現在、7つ櫓の復元に取り組んでいる。

市教育委員会生涯学習・文化財課の和根崎剛・上田城跡整備担当政策幹は「これまでの復元は市民の熱い思いが原動力となって進められてきた。(今展をきっかけに)櫓復元への機運が高まればうれしい」と話した。
 

 上田城は真田昌幸によって築城され、関ヶ原の合戦後に破却されたが、上田藩の初代藩主、仙石忠政が再建し7棟の櫓と2つの櫓門を建てた。

櫓と櫓門は明治維新後、西櫓のみを残して取り払われた。
 

 民間に払い下げられた櫓のうち2棟は上田遊郭に移築された。

1941(昭和16)年には、さらに東京の料亭に転売された。

しかし、市民から「櫓を買い戻して城跡に復元しよう」という声が上がり翌年、市民の寄付金で買い戻した。

移築工事は、太平洋戦争の戦況悪化で一時中断。

戦後の1949(昭和24)年に竣工した。
 

 「戦時下の苦しい世相ではあるものの、櫓の移転が銃後の活力、そして郷土の誇りとなる」と説いて寄付金を募った上田城阯保存会の趣意書などからは関係者の情熱が伝わってくる。
 

 11月8日まで。

 開館時間は午前9時から午後5時まで。

 水曜日と10月11日は休館。

 入館料一般300円。

 (電話)0268・22・1274(同館)