【踏入公会堂で行った講演】
防災の日(9月1日)に合わせ、上田市の踏入自治会は、このほど「地域防災講演会」を踏入公会堂で開いた。
自治会役員や上田市消防団第一分団(平澤洋介分団長)、池上貴美子・同消防特別委員ら約30人が参加した。
講演したのは、長野県自主防災アドバイザーの滝澤克彦防災士(69)と上田市危機管理課金井幸久係長(47)。
同自治会では、令和元年東日本台風(台風19号)で特に被害は発生しなかったものの、自治会内での十分な防災体制が整わず、日頃の防災意識や備えなどが必要との認識から開催した。
上田市の防災・減災への取組として、金井係長からは「1976年から1985年まで全国で1時間降水量50㎜以上の短時間強雨が年間平均226回だったものが、2012年から2021年までは平均327回となっている」現状。
「上田市に影響を及ぼす長野県の地震被害想定調査では、糸魚川―静岡構造線断層帯での地震での上田市の最大震度は7と想定される」ことなどが紹介された。
また「新型コロナウイルス感染症」による避難所での対策や、上田市のハザードマップに示された同自治会の浸水災害、土砂災害の現状も示した。
災害対応は決断の連続だとし、日頃の備えとしてハザードマップの利活用、自宅での行動、緊急避難行動など様々なパターンを想定した備えが必要だとした。
滝澤防災士は、地域防災の構築と防災組織として、上田市小泉自治会長も務めていることから、台風19号の際の同自治会及び自主防災組織の災害対応の紹介があった。
地球温暖化による異常気象で大雨や洪水が全国各地で頻発してることを受け、国や地方公共団体などから発出される警戒レベルなどの内容を把握すること、地域の安心安全を守るために自主防災組織の必要性や平常時、災害時の組織の活動を示した。
滝澤防災士は「自主防災組織は、消防団との連携や持続可能な顔の見える組織として自治会から独立したものであること、市や上田市社会福祉協議会で進めている災害時要援護者制度の確認や活用、避難所の開設運営訓練などが必要である」とし「災害時の適時、適切な活動は、平常時の活動で訓練の積み重ねがあってこそ」と話した。
災害時の各家庭での備蓄品としては、滝澤防災士の自宅備蓄品の画像を示し「最低3日間、可能であれば一週間過ごせることを想定した飲料水や食料などが必要だ」とし、多めの買い置き、消費、買い足すという循環(ローリングストック)を提案した。
さらには、車のガソリンは常に満タン、携帯発電機やガソリン、混合ガソリンの備蓄などの必要性を話した。
自身が釣りとBBQが趣味だとし、この趣味も実益になっていると笑いを誘った。
最後に自治会や自主防災組織で避難所の適正な位置、全員収納可能な指定避難所と他施設との連携、避難場所での医療体制やペットの避難場所の整備などを検証することが重要だとした。