【小諸市役所を表敬訪問した陸上部員】
小諸市エリア高地トレーニング推進協議会と東海大学スポーツ医科学研究所は、高峰高原での高地トレーニング効果の検証を進めている。
データ測定などに協力した同大陸上競技部がこのほど、小諸市役所を表敬訪問した。
検証は、協議会と同研究所の連携事業で、高地トレーニングの優位性を示すエビデンス(科学的根拠)策定に取り組んでいる。
海外では、権威ある研究があり、優位性は知られている。
一方、小諸の条件に則した、この地独自の本格的な研究はなかった。
事業は3年計画で、今年が実質的な事業1年目。
最終的には、エビデンスに基づく一般向け健康づくり事業などを実施し、市民への還元を図る方針。
事業には、同部中距離の主力選手ら7人が協力。
引率と研究は同大体育学部の丹治史弥助教。
8月中旬に小諸に到着し、協議会メンバーの浅間南麓こもろ医療センターで、練習前の血液採取を行った。
その後、高地トレーニングを取り入れた合宿を開始。
2000m林道、市天池グラウンド、菅平クロスカントリーなどで練習を行った。
あわせて、到着翌日、合宿開始1週間後、2週間後、3週間後に血液採集を実施しデータを集めた。
丹治助教によると、選手は練習に加え、けがの予防や大会本番で力を発揮するための体調管理なども重要。
計画に沿った練習を続けると同時に、これら必要事項を意識しながら大会を目指すという。
高地トレーニングによる効果も含めたコンディションの変化を科学的に把握し、練習に反映させることができれば、より良い状態で大会に臨むことができる。
丹治助教は「私自身の研究の主な目的はアスリートのパフォーマンスをいかに高めるかだが、それを市民の健康にどのように落とし込めるか。自身の研究のすそ野が広がるとともに、活用が広がると思いわくわくしている」と話した。