【大きく膨らんだクララの種を確認する児童】

 

 

【一本木公園でアキカラマツを発見】

 

【一本木公園観察】

 

 上田市塩川、市立塩川小学校の4年生31人はこのほど日、同校から車で5分ほどの陣馬台地にある「椀子ワイナリー」のヴィンヤード(ブドウ畑)などで自然学習を行った。

 

 香川県にある国立研究開発法人農研機構の西日本農業研究センター、上級研究員の楠本良延さん(51)を講師に、身近にある草原の生物多様性などについて学んだ。


 市とキリングループとの包括連携協定に基づき3年前から同校児童を対象に実施。

 

 ヴィンヤードに自生するオオルリシジミの食草「クララ」を農研機構が挿し穂し、児童が苗を学校の花壇で育て、翌年5月にヴィンヤードに定植する活動も行っている。


 楠本さんは「かつて国土の30%を占めた草原は今では1%に減少しており危機的。草原には希少な植物やチョウなどが生息しており、(椀子ヴィンヤードのような)自然豊かな所は日本中探してもそんなにない。地域の宝物です」と児童に語りかけた。
 

 椀子ヴィンヤードでは5月に6年生が定植したクララや自生する在来種のカワラマツバ、コウゾリナなどを観察。

ヴィンヤードに隣接する一本木公園では種を付け始めたカワラナデシコやツリガネニンジンなどを発見。

 

 児童がアキカラマツを見つけると楠本さんは「これが出てくるのはいい草原の証拠。ツリガネニンジンやワレモコウなどとともに指標種とされています」と説明した。
 

 横田楓賀君は「クララをもっと増やして、ここにオオルリシジミが飛ぶのを見てみたい」。

 藤森陽士君は「自分の家の近くにすごい場所があることが分かってうれしい」と目を輝かせた。
 

 担任の柳橋学教諭(53)は「身近な自然から学び、自分の地域に対する愛着を育ててほしい」と期待する。