新型コロナウイルス感染症長野県対策本部は8日、全県に「医療非常事態宣言」を発出した。
7日時点で確保病床使用率が54・8%で医療負荷が増大しているため。
感染警戒レベル6に引き上げたが、従来のような行動制限は求めない。
基本的な感染予防の徹底、軽症の人は自宅で健康観察するなどを呼びかけている。
8日時点の直近1週間の新規陽性者数は上田圏域で1386人(10万人あたり715人)、佐久圏域で1859人(10万人あたり909人)、全県で1万3728人(10万人あたり670人)。
感染経路不明は9割を超えている。
全県の確保病床は中、軽症者用が477床、重症者用が43床、計520床。
8日、午後8時現在で、288人が入院し、55・4%が使用されている。
確保病床以外で感染確認されて入院しているのは121人。
中、軽症者用一般病床の使用状況は、東信で84%に達しており、県内4地域で最も病床が埋まっている状態。
療養中の人は、1万7000人を超え、これまでにない規模になっている。
救急外来はひっ迫している。
対策本部では、医療非常事態宣言で、確保病床使用率を引き下げ、外来診療の負荷を抑えながら、社会経済活動への影響を最小限にすることを目標にしている。
そのため
・ワクチン接種の促進
・宿泊療養施設は重症化リスクが高い人を優先
・抗原定性検査キットによる自己検査
の協力
・軽症で重症化リスクが低い人には自宅で健康観察するよう呼びかけている。
同検査キットは。8日時点で診療・検査医療機関406カ所に約19万個を配布。
20から30歳代で医療機関を受診しない有症状者向けに「若年軽症者登録センター」を10日にも設置する。
ウェブ申請で同検査キットを配布し、陽性になった人は登録を行う。
有症状の人で、重症化リスクが高い人には、速やかに診療・検査医療機関に相談し、受診するよう呼びかけている。
重症化リスクの高い人とその同居者、身近に接する人には、感染リスクの高い場面や場所をできるだけ避けるとしている。
自宅療養に備え3日分の食料や市販薬の備蓄。
お盆にあわせた親族の集まりや同窓会など、普段会わない人との会食は特に気をつけて―なども呼びかけている。
事業者には医療機関の負担軽減のため、療養した従業員に検査陽性の証明書などの提出を求めないよう要請している。