【文科大臣賞の「御射鹿池Ⅰ」と

宮下さん 】

 

 上田市築地の第一美術協会会員、宮下六朗さん(84)は「御射鹿池Ⅰ」(水彩)で「第91回 第一美術展の文部科学大臣賞」を受賞した。
 

 水面に背景の木々を映し出す茅野市のため池、御射鹿池(みしゃかいけ)のたたたずまいを描き「水彩の使い方が斬新に見えて魅力的。

 日本的な静かさがある」と高く評価された。
 

 「5年ほど前から絵の原点に立ち返り、鉛筆を多用して少量の着彩での表現を試みてきた。それが1つのあり方として認められた」と手応えを実感する。
 

 宮下さんは上田市出身。

 坂城町で金属加工の工場を経営していた50代半ばで絵を志し、63歳で京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)の通信教育部に入学し、72歳で同大大学院を修了した。
 

 第一美術展への挑戦は1993年から続けており、油彩や葦ペンなど表現技法の試行を続けてきた。

 「構想を練って、作り上げていく作業は長年携わった金属加工の仕事と通じている」という。
 

 宮下さんは「元気で長生きし、描き続けてきたから今がある。受賞は大きな節目だが、これで良しとは思わずに更なる成長を自分に課したい」と意気込む。