【幅の狭い難所を通る親柱。

消防団による梃子方とおんべで

音頭をとる山辺さん】

 

 

【木落し坂で顔を出す子柱と

おんべで号令する山岸さん】

 

 

【感謝を述べる山﨑実行委員長(左)】

 

【沢渡し】

 

 

 

 

【左から山岸さん、山﨑実行委員長、山辺さん】

 

 

 

 上田市国分の堀川神社御柱大祭実行委員会(山﨑公弘実行委員長)は24日、御柱祭に向けて小牧山からの「山出し」を行った。

  御柱祭は「新型コロナ」の影響で8月6日に延期していた。

  重機が入らない山中のため人力で山出しを行い、規模を縮小して「川渡し」は中止とした。

 

 曳きだした御柱は、長さ13・5m(面取り前)の一之御柱「親柱(直径約60㎝)」と、二之御柱「子柱(直径約40㎝)」。

 昨年、12月の”斧入れ祭”で山頂付近から切り倒し7合目付近のお休み所に安置していた。


 この日、上堀自治会と下堀自治会、上田市消防団第十分団、神川ソフトボール、神川連合会などのメンバー約110人が集っった。

新幹線ハープ橋南側の山から標高650m地点まで登り、安置していた御柱を前に神社会総代の山浦幸訓さんらが神事を行った。
 

 山出しは通常3月に行われるため、夏場の山出しは初めて。

 山﨑実行委員長(68)らがコロナ感染症対策に加え、熱中症予防対策への注意事項など指示した。
 

 親柱の舵取り役は林利雄さん(72)と池田悦雄さん(65)、おんべは山辺光之さん(56)。

子柱の舵取り役は和久井賢さん(72)、おんべは山岸秀武さん(48)が務め、梃子方は消防団員が担った。

 

 山岸さんは「皆の力が一つになるようテンポよく音頭をとっていく」と意気込み、山辺さんが「皆の衆、力を合わせてお願いだあ」と号令するとラッパの音とともに「そーれ、そーれ」と勇壮に曳き出した。
 

 ルートは沢沿いの山道約3㎞で、幅が狭く、一歩ずれれば沢に落下してしまう。

急斜やカーブ、段差、沢渡し、木落し坂など難所だらけ。

 前日の雨で足下が滑る中、慎重に曳行。

 舵取り役の林さんや池田さんらが「谷側へ(御柱の)ケツを振れ」「山側へロープ」「あと7m」など緊迫した指示が飛び交い、ルートの修正や落とす角度を調整。

 狭い斜面でうまく滑らせ狙い通りの位置に止まると梃子方が「ナイスアプローチ」と感心する場面も。

途中、木や岩にぶつかるなどしながらも沢に落下することなく安全に曳行。

 過去に何度も沢に落ちた難所で池田さんは「きょうはきれいにいった。4回目にしてうまくいった」と喜んだ。
 

 約3時間半かけ曳行し、最後の難所木落し坂では、千曲川左岸道路にカメラマンや見物人が集まり、山から顔を出す御柱の姿に声があがった。

 曳き出した御柱は運送業者が市内のお休み所へ搬送した。

 来月6日にお休み所から堀川神社へ里曳き、建御柱を挙行予定。
 

 山﨑実行委員長(68)は「天気に恵まれた。4カ月遅れとなったが、これだけの人に集まっていただき感謝している。事故なく無事に遂行でき幸せ」と話していた。