【にぎやかな祭りの様子を伝える
「上田御祭礼図屏風」(文久3年)
などが並ぶ】
【江戸時代の祭りの様子を描いた
「祇園祭礼絵巻」(明治38年)=複製=】
【平成16年に常田獅子の大団扇を
新調した際にはがされた地紙】
上田市二の丸の市立博物館は夏季企画展「上田祇園祭とまちづくり」を開いている。
上田祇園祭は真田昌幸が上田城を築城した際に、牛頭天王(ごずてんのう)を祭る天王宮を勧請したのが始まりとされる。
疫病除けと町の繁栄を願う祭りとして現在まで引き継がれている。
学芸員の斉藤美佳さん(29)は「昌幸が城下町を形成するにあたり、先住の常田村や房山村と本原や本海野などから移した村の人々との調和を保つために始めたものと推察される」と話す。
注目の展示品は、文久3(1863)年に原町の浜田屋伊助が息子、仙太郎の誕生を祝って出した練りを屏風に描かせた六曲一双の「上田御祭礼図屏風」。
熊にまたがる金太郎や山姥などの装飾を乗せた山車は1基を6人がかりで引くほど大きなもので祭りの華やかさが見てとれる。
江戸時代は、町人だけでなく藩主家も関わる重要なものとして行われていた。
松平忠順が藩主だった時代には御屋形(現上田高校)の表門前の広場と裏門前で藩主や藩士らに披露した後、各町を練り歩く1日がかりの祭りだった。
車輪付きのお舟の天王山車や笠鉾などの練り物に踊り、常田獅子、房山獅子が続いたという。
今年の上田祇園祭は「新型コロナウイルス感染拡大防止」のため、3年連続で中止されたが、同館は「地域に長く続く祭りに、いまこそ目を向けてほしい」と来館を呼びかける。
9月11日まで。
開館時間は午前9時から午後5時。
水曜日と19日は休館。
入館料一般300円。
(電話)0268・22・1274(同館)