【工藤さん(左)と花木さん。

真ん中は御柱のレプリカ】

 

【御柱のレプリカ】

 

 

 

 

 上田市下之郷の生島足島神社の御柱大祭が今年4月16日から18日まで開かれた。

 この大祭に協力をした人たちに記念品として手作りの”御柱のレプリカ”が、贈られた。


 レプリカは、長さ60㎝と80㎝の2種類で、合計60本が用意された。

制作したのは同市下之郷の同神社氏子の工藤昇平さん(79)と総代の花木忍さん(75)。
 

 レプリカの御柱の木材は、近くの山に自生しているヒノキ科の常緑針葉樹、ネズミサシ。

木の表皮を剥ぎ、磨いて仕上げるが、これを担当したのは花木さんだった。

刃物が当たると木に傷がついてしまうため木を湯に浸けてからドライバーで慎重に剥ぐという苦労な作業を毎日コツコツとした。

 1日に4本ほどしかできず「期日に間に合うかが心配で必死だった」という。仕上がるまでに1カ月を要した。
 

 レプリカを記念品として贈るきっかけとなったのは、18年前の御柱大祭に工藤さんが考案した御柱のレプリカを同神社に贈った。

その時のレプリカが同神社の応接室に大切に飾ってあった。

松澤繁樹同神社総代長がこれを見つけて工藤さんに依頼した。


 今回、出来上がったレプリカには挟み箱(先箱)と槍振りの鎗を模したものが飾ってある。

挟み箱の箱などはペンキで色を塗り、鎗振りの鎗についている毛も工夫し、細かい手作業で仕上げた。
 

 工藤さんは「短いサイズのものは今までにいくつも作ったことがあるが、今回のように大きなサイズは初めてだった。やりがいがあったと思っている」と話していた。
 

 レプリカを受け取った同市神畑の手塚農園、手塚久英さん(88)は「何よりも良い記念品をいただいた。今は床の間に飾ってある。これからも大切にしたい」。