【上田市空家等対策協議会】

 

 

 上田市空家等対策協議会はこのほど、第9回会合を上田駅前ビル・パレオで開いた。

 「特定空家」を認定したこれまでの取り組み状況や、新たな特定空家3件を認定する協議を行った。

 今年度からの空家の賃貸を進める「空き家セカンドユース事業」などの報告もあった。

 

 特定空家の認定は、地域で問題になっていながら対処できなかった建物に対し、解体などの道筋をつけるもの。

 手続きは特措法に基づき、対策協議会の意見を踏まえて認定。

所有者に対して「助言」「指導」で改善を求め「勧告」「命令(従わないと過料の行政処分)」ができ、命令も従わない場合は行政代執行が可能になる。

 所有者が特定できない場合は略式代執行になる。
 

 開会で、樋口盛光会長は「昨年度、上田市で初めて特定空家を1件認定し、進めている。空家問題は全国規模の重大な課題。少しでも空家を解消させたい」とあいさつ。

 

 昨年度、認定した特定空家(中央東)については、解体に向けて諸手続が進んでいる。

 この日、新たに特定空家となったのは鹿教湯、中塩田、国分の3件。
 

 市内の空家状況は、平成28年度の実態調査で、損傷が激しいCランク(特定空家の候補につながるもの)の建物は98棟だった。

しかし、時間の経過でBランク(補修工事で再利用可)からCへの移行が増加。

解体補助金の利用で一部減ったものの令和3年度末に143棟になっている。

 

 一方、476棟だったBランクが141棟まで減。

Aランク(修繕がほとんど必要ない)は2841棟だったが、推計値で2723棟になっていると見られている。
 

 老朽危険空家の解体補助金の実績は、令和2年度に12棟、令和3年度に17棟、今年度はすでに15棟を決定している。

このことから20棟程度になると見られ、合計で50棟になると予想している。

 

 東御市で行っている解体後の固定資産税上昇を抑える減免措置について、上田市も導入を検討するとした。


 空き家情報バンク事業では、平成27年度から令和3年度までに、売買で120件、賃貸で25件が成約している。

 空き家バンクへの登録で有効活用されたのは186件。民間売買に移行したケースが41件。

 令和4年度の目標として、物件登録数20件以上、利用者登録数100件以上を掲げている。


 今年度から、移住希望者が賃貸を希望するケースが多いため、賃貸契約に結びつける「空き家セカンドユース事業」を導入。

 初年度はモデルケースとして3件の物件提供を目指している。