【しなの鉄道活性化協議会。

あいさつする岡田会長】

 

 

 しなの鉄道の沿線市町村、商工団体などで構成する「しなの鉄道活性化協議会」はこのほど、上田市内で会合を開いた。

 今年度も継続して軽井沢―小諸間を増便するなどの事業を決めた。

 

 開会の冒頭で、会長のしなの鉄道、岡田忠夫専務が2021年度のしなの鉄道の経営について説明した。


 「新型コロナ」を巡る動きから2020年度よりは回復が見られ、輸送人員はしなの鉄道線で801万人余、前年度比110%余。

 しかし、台風やコロナ前の2018年度と比較すると77%余。

旅客収入も70%余(通勤・通学定期は87%余、定期外が55%余)。

 今年のゴールデンウィークの状況は、定期外が約7割まで回復し、軽井沢は9割近くまで回復していると報告。
 

 経営では、2020年度より改善しているが、営業損益はマイナス5億4000万円余「新型コロナ関連」の補助金約5億円を踏まえた純損益はマイナス約4400万円の状態。

 今年度の見込みは、定期外が7割まで回復、定期は9割。

営業損益では3億円強の赤字の見込み。
 

 経営改善について、昨年の4月から全ての業務を見直しており、ダイヤ改正で平日より利用者が減る土休日の運行本数を減便、一部の駅で無人化などを行っている。

 

 今年度は、日中の利用者が少ない時間帯の運行の統合、一部終電の繰り上げを検討しているという。

 「サービスの低下は否めないが、地域を支える鉄道として存続して行くことを肝に銘じて進める。理解してほしい」とした。
 

 今年度事業では、軽井沢―小諸間でこれまでと同じ上下7本、計14本増便。

 

 ★新しい事業として

 車両ラッピング

 観光割引施策などとの連携

 レンタルサイクル・シェアサイクルのPR

 将来に向けた駅舎の積極的活用の検討

 停車時間を利用した駅の活性化

 先進事例の研究ーなどを決めた。


 協議事項以外の要望などで、チケットレス化の状況についての質問に、チケットレスは事前予約する軽井沢リゾート号、観光列車ろくもんの一部で導入。

 キャッシュレスについては来年度4月から主要駅で非接触型のクレジットカードが利用できる券売機を導入するとした。

 

 ほか、上田駅周辺の踏切で通過待ち時間が長いことへの改善要望などがあった。