【咲き誇るフジの花と永井さん夫婦】

 

 上田市中央北の永井康弘さん(85)宅のフジの花が満開に咲き、甘い香りを漂わせている。


 永井さんの父(故人)が八十二銀行から分けてもらった「カバンの藤」で、永井さんが幼いころから庭にあり「毎年きれいに花を咲かせてくれる」という。
 

 カバンの藤は、1880年(明治13)に当時の第十九国立銀行(八十二銀行の前身の1つ)の役員だった黒沢鷹次郎氏が、故郷の南佐久郡の農家にもらったフジの苗をカバンに入れて持ち帰ったとされる。


 永井さんと妻のサキコさん(81)が家業の果樹栽培の経験を生かして剪定などの手入れをしており、花の房は1mほどもある。
 

 サキコさんは「フジは房の上から下まで平等に花が咲くのがいいですね」と話していた。