【改修された拝殿、
銅板葺となった屋根が一層重厚さを増す】
【彫刻】
丸子地域の氏神として守られ、木曽義仲の伝承が伝わる上田市上丸子の安良居(あらい)神社(藤森盛人総代長)拝殿の改修工事が、このほど完了した。
改修事業は平成26年に検討委員会を設置。
同30年に下村晴一さん(三反田自治会長)を会長に三反田、海戸、沢田、八日町の4自治会から役員を選出、改修事業委員会を組織。
令和元年から企業・団体などに寄付を呼びかけ、5100万余円が集まった。
工事は昨年3年に着工され、同12月完成。今年3月12日竣工式が行われた。
集まった寄付金は工事費、設計監理費、事務費などに充てられ、委員らは手弁当で事業を進めてきた。
藤森総代長は「拝殿が立派に改修できて大変うれしい。ご支援いただいた方々のお陰」と感謝。下村会長は「拝殿は改修できたが、本殿と祝詞殿も老朽化している。後世に残したいのでこちらも改修できれば」と話していた。
◇ ◇
同神社の創建は不詳。
木曽義仲が京都男山にある石清水八幡宮より源氏の守護神である八幡大神を勧請し、この地にお祀りした。
横田河原の戦いで勝利を納め、御礼として寿永元(1182)年に本殿を再建した。その際に笠懸を奉納したと伝わる。
江戸時代末期の神社本殿建築の遺構として貴重で、意匠や技術的にも優れている事から昭和47(1972)年に「上田市指定有形文化財」に指定された。
◆義仲が笠懸奉納の「矢」初披露
安良居神社は、拝殿の改修工事が完成し、披露を兼ねて春季例大祭を17日に開く。
神社境内では信州丸子義仲祭り実行委員会が義仲そばのふるまい(午前11時45分から)、義仲太鼓演奏(午後1時45分)、雅楽演奏・乙女の舞(午後3時15分から)。
なお、同神社に伝わる宝物、義仲が必勝祈願し、笠懸を奉納したときの矢の展示(初披露)のほかあさつゆ、露店が出店する。