小諸市の黒崎睦さんは今年、卒寿(90)となった。

 記念して親しい仲間が黒崎さんの日本画展を企画した。

 会場は小諸市菱平の市立小諸高原美術館・白鳥映雪館、4月9日から17日まで開催する。
 展示作品は10号以下の小品15点、大作17点ほど。なかには80号の大作もある。


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 黒崎さんは小諸市与良出身。

小諸高等学校卒業後、信大教育学部を修了し、小中学校の教諭の免許を取得。

 父親や兄弟が教師だったため「職業は教師かなと自然に思うようになった」という。
 

 教師として赴任したのは小諸市では坂の上小学校と野岸小学校。

 上田市では清明小学校。

 岩村田小学校を最後に59歳で退職。
 

 定年退職後、教員時代に知り合った佐久市出身の日本画家・故鈴木公人氏に絵を描くことを薦められていた。

しかし、子どものころから絵を描くのは苦手だったため躊躇していたが、2年ほどして同氏が指導する絵画教室「秋桜会」に入会した。

 「鈴木先生には細かいところまで指導していただいた。今日あるのは先生のお陰」と感謝する。
 

 絵を描き始めて1998年、楽器をモチーフにした50号「室(しつ)」の作品が県展で初入選、佐久美術展では佐久市長賞、2009年には第62回県展で知事賞を受賞した。
 

 黒崎さんは友人と1年に1回ほど海外旅行に行った。

フランス、イタリア、ドイツ、イギリス、スペイン、トルコなど訪れ、スケッチしてきた。

 スケッチを基に描いた作品も多く、今回の展覧会にも長野県展入賞の2000年に描いた50号のフランスの「聖堂」。

 県展入賞の2003年、イタリアミラノの大聖堂「DUOMO(ドゥオーモ)」。

 独特な色彩と迫力ある作品を展示する。


 「これからは庭で野菜や花を育てながら静かな生活を送りたい」と語っていた。