【雷電(左)の張り手にひるまず果敢に挑む御嶽海。叩き手が土俵の周りを懸命に叩く】
東御が生んだ江戸時代の天下無双力士「雷電為右衛門」と、大相撲の新大関「御嶽海」が等身大の紙相撲となって激突する夢の取組が13日、東御市で実現した。
雷電の強烈な張り手か、御嶽海の速攻押し相撲が勝るのか、時を超えた名勝負に、土俵を叩く音が鳴り響いた。
東御市のしげの里づくりの会(阿部欣史会長)と丸山晩霞記念館(佐藤聡史館長)が企画。
「コロナ」の影響で、この日開催予定だった参加型「どんどこ!巨大紙相撲大会」第4回東御場所を5月15日に延期し、事務局関係者のみで執り行う「御嶽海応援のエキシビジョンマッチ」を開いた。
花岡利夫市長は「東御市民としては、御嶽海も応援したいし、雷電も応援したいという本当に困った気持ち。きょうは3月場所の初日、横綱目指して大活躍の出発前祝い。巨大紙相撲の面白さを味わって」とあいさつ。
スタッフらが新たに手作りした紙力士は、雷電が197㎝、御嶽海が180㎝の等身大。
筋肉隆々の雷電と「丸い肉付き、見てる人を元気にする笑顔」を表現した御嶽海が初顔合わせ。
佐藤館長(60)の実況で「東方より雷電が入場、なんと大きな体、さすが天下無双の力士といわれた伝説の大関であります」。
「西方より御嶽海、雷電以来227年ぶりの長野県出身の大関。自信と躍動感、笑顔に溢れた余裕の表情です」。
制限時間いっぱい、御嶽海チームはまわしをポンと叩いて、雷電チームは「えい、えい、えい」と張り手のポーズ。
行司の「はっけよーい、のこった」の掛け声とともに、ダダダダーと叩き手たちが板の土俵の周りを一気に叩いた。
雷電の張り手に押され、御嶽海が引く形で手をつき、雷電に軍配が上がったかにみえたが、「同体ではないか」と物言いがつき取り直し。
3回連続で物言いがつくきわどい勝負となり、4回目に御嶽海が押し倒し”大金星”をあげた。
解説の渡辺正さんは「最後の最後に雷電の体が伸びきってしまって土俵を割ってしまいましたね。いい相撲でした」。
阿部会長(79)は「少しでも明るい話題を届けたい。御嶽海には白星を重ねて1日も早く横綱になることを望んでいる」と話していた。