【社会科学習帳を寄贈した

大口会長(左から3人目)、宮原隊長(同2人目)ら】

 

 全国ため池百選の上田市塩田平のため池群を地域づくりに生かそうと活動する「塩田平ため池を愛する会」は「4年社会科学習帳―塩田平のため池と先人の知恵・努力」を制作した。

 小学校の社会科の授業で役立ててもらおうとこのほど、上田市に寄贈した。

 

 

 同会の大口義明会長(78)=同市手塚=ら関係者が9日、上田市役所を訪れて土屋陽一市長に手渡した。


 同会は地域の子どもたちにため池文化を伝えようと8年前に「ため池探検隊」を組織し、塩田地域の小学4年生を対象に総合学習の一環として指導を続けてきた。


 大口会長は「コンパクトにできており、子どもたちも理解しやすい。おおいに活用し、ため池を多くの人に知ってほしい」とあいさつ。
 

 編集者代表の宮原信一ため池探検隊長(77)=同市古安曽=は「パソコンで検索して分かったつもりになるのではなく、問題意識を持って追求してほしいという願いをもって作りました」と話した。


 土屋市長は「手に取り、読みやすいよう工夫されている。先人から受け継いだ地域資源であるため池に光を当て、次の世代につなげていきたい」と感謝した。
 

 学習帳はA4判、24ページ。

塩田地域の気候や地形、ため池工事の様子などを写真やイラストを多用して分かりやすく説明している。

 ため池や雨乞いにまつわる民話6編も収録。

 「山田池の決壊騒動」は1950年夏に起きた実際の出来事を中塩田時報の記事をもとに、体験者への聞き取りも行って書いたという。
 

 市わがまち魅力アップ応援事業を活用して1000部制作(印刷費など37万円)。
 

 塩田地域の小学校には4年生全員が手にとれるよう3校で計約200部配布。

その他の小中学校や市内の公民館、図書館などにも配る。