【メンバー募集説明会で久保田委員長(右端)】

 

【残雪の棚田(2月27日)】

 

 

 上田市殿城の稲倉の棚田保全委員会(久保田良和委員長)は2月26日、27日、保全活動メンバーの募集説明会を稲倉の里農村交流館で行った。

 両日で26人が参加。雄大な景色の中、農作業を手伝いながら、棚田で始まる出会いや交流への期待に胸をふくらませた。

 

 稲倉の棚田は平成11年に「日本の棚田百選」に認定。

同12年3月に保全活動が始まり、同15年から現在の会に。

久保田委員長(73)は4代目。棚田の景観や環境を生かした先進的活動に取り組む。

 今年2月14日には農林水産省の「つなぐ棚田遺産」に選定された。


 説明会では、久保田委員長らが活動内容や農作業スケジュール、有償ボランティアの心構えなどを説明。

 

 伊藤清治事務局長(70)は「棚田の急勾配の斜面で作業していると、自然と1日1万2000歩くらい歩くので健康には良い。皆さんも一緒に体を動かしてくれたら」と呼びかけた。
 

 大阪出身で上田に移住して6年の井澤信子さん(50)は昨年メンバーになり、1年間作業を経験。

 「棚田のこの景色を見た時に感動した。初めは泥の田んぼに入ることができなかったけど、来ることが楽しく、毎日来るたびに景色が変わった。この棚田を子どもたちへつなぐことが役割だと思った。多世代との交流でいろいろ教われるのも魅力」と話す。
 

 久保田委員長は「今年は参加者が多い。コロナで家にこもりがちなせいか、ここに来ると開放感があるのかも知れない。棚田での作業はまるで空を歩いているような感覚」。

「主力のメンバーは現在20人ほど。異業種の集まりで、機械が使える人、手先が器用でカカシが作れる人など、みんな自分にできることや得意なものを持ち寄っている」と話した。
 

 今月は4日に竹灯ろう作り、29日から31日に土手焼き、春耕しなどの作業を予定している。
 問い合わせ(電話)0268・75・4808(稲倉の里農村交流館)