【町内放送をする北沢さん(左)と丸山さん】

 

 

【ラジオ体操をする増田さん(中央)ら

(いずれも千曲町自治会館)】

 

 

 上田市の千曲町自治会は毎日午前10時から約10分間、自治会内の2カ所にあるスピーカーを使った町内放送で、ラジオ体操第1などを流している。

 

 厳しい寒さと「新型コロナウイルス第6波」の影響で、外出を控えて家に閉じこもりがちな住民の”フレイル”を予防しようと先月から始め、5日まで実施する。

 ※フレイルとは、加齢により心と身体の活力が低下した状態。

 

 自治会役員や民生児童委員らが中心となって、一昨年と昨年もそれぞれ1カ月間ほど実施。

 「庭先やベランダ、家の中でもいいので、それぞれの年齢や体力に合わせて体を動かしましょう」と呼びかけている。
 

 増田栄二さん(79)は日課の散歩中に放送が流れると千曲川の堤防や自治会館前の公園で体操をしているといい「コロナの感染が広がり家に閉じこもっている状態。体操して体を動かすと調子がいい」と話す。
 

 同自治会の民生児童委員は、北沢育夫さん(73)と竹内靜世さん、丸山和枝さんの3人。

「新型コロナウイルス感染拡大防止」のため、日常活動は家庭訪問を控えて電話や手紙で、こまめに連絡をとるなど工夫。

専門講師を招いて週1回開いてきた高齢者対象のストレッチ教室「元気で生きる会」は中断してる。
 

 北沢さんらは「一人暮らしの高齢女性からラジオ体操の放送を聞いて、同じ地域の皆さんも頑張っているんだなと感じてうれしくなったとの感想が寄せられた。年齢を重ねても心配なく生活できる地域でありたい」とうなずき合っていた。
 

 ラジオ体操などを録音したCDは北沢さんと城下地域包括支援センターが協力して制作。

 「信濃の国」で始まり、ラジオ体操第1の後に「パプリカ」か「上を向いて歩こう」の曲があり、「自分にあった運動を心がけて元気に過ごしましょう」などの言葉も収録されている。
 

 同センターの生活支援コーディネーター、矢嶋宏さん(52)は「千曲町自治会の取り組みを1つのモデルとして市内の各地に広めたい。フレイルの先には介護が待っている。(コロナ禍で)趣味の集まりやサロン活動が中止になるなど高齢者が外に出る機会は減っており、知恵を絞って何かしらの対策を講じなければならない」と力を込める。


 CDの貸し出しなども行う。

 問い合わせは(電話)0268・22・2360(城下地域包括支援センター)