【子どもの写真を撮り続ける坂口さん】

 

【無心に遊ぶ子どもたちの写真が並ぶ】

 

 上田市上野の保育士、坂口知加史さん(72)は同市中央1、上田プラザホテルエントランスのまちなかギャラリーで「写真の個展」を開いている。


 坂口さんは40年余にわたって子どもの写真を撮り続けており、今展ではシューマンのピアノ曲「子供の情景」をテーマに、これまでに撮りためた4万点以上のなかから約130点を厳選して並べた。
 

 絵を描いたり、木を積み上げたりして無心に遊ぶ子どもたちの生き生きとした表情が印象的だ。

自分の背丈ほどもある竹馬に乗って得意げな男の子や須川湖でスケートを楽しむ昭和50年代のモノクロ写真もある。
 

 坂口さんは栃木県出身。

長野大学で福祉を学び、保育士資格も取得した。

 その後は市内の社会福祉法人で働き、保育園勤務は通算22年目。週末には学童保育「あそびの学校」を主宰する。
 

 坂口さんは自身の子どもが通った保育園や小学校などの子どもたちにカメラを向けてきた。

現在も保育士として日々、子どもたちと接しており「子どもを目の前にすると疲れを感じない。子どもたちはわたしの生きる力です」という。
 

 一方で坂口さんは長野県は未成年者の自殺死亡率が高いことに心を痛める。

 「見えないところで虐待や貧困など厳しい環境にさらされている子どもが身近にいるかもしれない。写真展がそういうことに目を向けてもらうきっかけになればいい」と話す。
 

 3月10日まで。

 24時間いつでも見ることができる。
 問い合わせ(電話)0268・22・2029(松尾カメラ)