【小布施町出身の画家、中島千波さんが11歳の時に描いた「母の顔」。
タブレットの画面は

四曲一隻屏風「素桜神社の身代桜」】

 

 

【アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック17歳の油彩「馬上の二人の兵士」(右端)などが並ぶ】

 

 

 上田市天神3の市立美術館は国内外の著名な芸術家が子ども時代に描いた絵などを展示する「巨匠たちの10代展」を開いている。


 愛知県岡崎市のおかざき世界子ども美術博物館の収蔵品など62人の106点を展示。

エドヴァルド・ムンクが18歳の時に描いた油彩「雪景色の中の少年」や、平山郁夫が15歳で制作した水彩「武者絵」などが並ぶ。


 現在、活躍する俳優や冒険家らの直筆メッセージもあり、詩人の谷川俊太郎さんは5歳の時に水彩で描いた父親の絵などとともに1971年に発表した詩「生きる」を寄せた。
 

 同館では、巨匠たちが子どもだったころの作品を特に同世代に見てほしいと、展示作品を子どもの目線に合わせて通常よりも低い位置に並べた。


 また、展示作品にタブレット端末をかざすと作者が大人になってから制作した代表作が表示され、実物大に拡大して鑑賞することができる。

 同館初の試みで、エプソンアヴァシス(株)=上田市下之郷=が技術協力。

 タブレット端末は受付で希望者に貸し出す。
 

 岡崎市は農民美術や児童自由画教育運動を上田から全国に展開した山本鼎の出身地。

 

 長野県農民美術連合会の徳武忠造会長(70)=上田市古里=は「(巨匠の作品を)まだ制作者としては未完成だったころの作品と見比べると成長とは何かを考えさせられる。子どもたちにこそ見てほしい展覧会だ」と話した。
 

 3月5日、午後1時半から、おかざき世界子ども美術博物館の稲垣満春副館長によるギャラリートーク「巨匠たちの10代を知る」。

 事前申込が必要。

 定員15人。
 

 3月21日まで。

 火曜日休館。

 開館時間は午前9時から午後5時。

 観覧料は一般800円。
 

 問い合わせ(電話)0268・27・2300(市立美術館)