【土屋陽一市長から諮問を受ける横山会長】

 

 上田市はこのほど、来年度からの国民健康保険税率などを改定するため、上田市国民健康保険運営協議会(横山和男会長)に諮問した。

 協議の結果、全体改定率で8・8%減額する事務局案を承認し、21日に答申する。
 

 国保は都道府県単位で財政運営を行っており、市町村は県が示す国保事業費納付金や標準保険料率を参考に保険税を決定、賦課・徴収など行っている。
 

 上田市への令和4年度国保事業費納付金は、約36・5億円で昨年度比とほぼ同じ。

実際には被保険者の減少で、1人当たりの納付金額は増額になっている。

しかし、令和2年度の余剰金が充当されることで、昨年と同規模に抑えられた。


 今年度の国保税収は「新型コロナ」の影響で減収を見込んでいたが、見込みほどの落ち込みはなく、基金からの繰り入れが必要なくなった。

さらに繰越金も増加する見込み。

 

 今年度の国保税率を令和4年度も維持すると、試算ではさらに余剰が出ることから、事務局では税率を引き下げる方針で検討。
 

 現行の基金残高は11億8000万円、今年度繰越金見込みは5億9000万円ほど。

引き下げに伴う不足分は基金などから1億円を充当し、被保険者の負担を軽減する。

 

 加入者の保険税額は、基礎課税額の「医療分」、後期高齢者支援金等課税額の「後期支援分」、介護納付金課税額の「介護分」の3区分に分かれている。

 それぞれに所得割(前年中の所得に応じた保険料率)、均等割(1人ごとの年間保険料)、平等割(1世帯当たりの年間保険料)の3方式で算定する。

 

 諮問で示した改定案は次の通り(かっこ内は現行との比較)。
 ▽医療分 所得割5・9%(1%減)

  均等割2万円(1600円減)

  平等割1万9900円(1300円減)
 ▽後期支援分

  所得割2・43%(0・18%減)

  均等割8700円(増減なし)

  平等割7300円(増減なし)
 ▽介護分 所得割2・2%(0・4%減)

  均等割8900円(増減なし)

  平等割6500円(増減なし)
 

 この改定案で仮に、2人世帯で介護分がある給与収入311万6000円の場合、改定の年税額は28万3800円になり、1割ほど減額になる。
 

 協議会では、減額を歓迎しながらも、今後への影響を心配する声や、出産一時金を増額させて子育て支援の充実、健診の受診を増やすなどの意見もあった。