【意見交換会であいさつする栁沢支部長】

 

 

 長野県建設業協会上小支部はこのほど「建設系高校との意見交換会」を、上田市の上小建設会館で開いた。

 会員企業から13人と丸子修学館高の工業分野、上田千曲高の建築科教諭らが出席した。

 

 意見交換会では、同支部の協力のもと実施した現場見学や実習の報告があった。

 

 企業側からは、災害の復旧工事の現場の見学の様子にふれ「目を輝かせていて、良い印象を受けた。質問がなかった。聞いてみたいことを考えておいてもらえればいい」。

 

 また、ICTを活用した実習では「我々には興味深い内容だったが、生徒の理解は難しかったのではないか。集中できていない生徒がいた。ゲーム感覚で興味を持つだろうが、それだけでは建設業の意味はない。現場見学会をやらないといけない」など、率直な感想が寄せられた。
 

 いっぽう高校側からは、足場の組み立て実習で、同窓生の若手技術者が派遣されたことから「生徒にとっては身近な存在。とても興味深く話を聞いていた。ありがたかった」などの声があがった。
 

 高校で就職活動を担当する教諭からは、建設業界への就職で重視する点を聞いた生徒のアンケートで「賃金」「職場環境」「休みの取りやすさ」が上位に挙がったと報告。

成績上位者ほど、進学よりも就職を希望する意向が強いことや、就職後の資格習得の支援が充実している企業を選択。

 また、生徒の多くが地元での就職を希望していることなどが報告された。

会の中では、就職に保護者の意向が大きく影響することから、生徒と保護者の同伴での企業訪問も提案された。


 栁沢昌美支部長は、地元高校生の就職では、製造業と競争となっている点を指摘。

 「受け入れ側で、福利厚生や給料の面でアピールしていかなきゃいけない。イメージを変えていくことは一朝一夕にはいかないが、生徒に気に入ってもらい、一生の仕事にしてもらうため、高校の先生の皆さんと意思疎通を図りながら、就職に役立つ会にしていきたい」と話した。