【模様や字を書き入れる塩入住職】

 

 

【作業する蘇民講員】

 

 

 上田市国分の信濃国分寺(塩入法道住職)は5日、蘇民将来符を作り始める「蘇民切り」を行い、蘇民講(山越文雄会長、11人)が客殿で切り始めを行った。

 蘇民将来符頒布などを行う”八日堂大縁日”は、来年1月7、8、9日を予定しており、今月中旬以降にホームページなどで正式に発表する。

 

 蘇民将来符は、厄災を逃れて子孫繁栄を願う「蘇民信仰」による護符で、蘇民信仰は全国各地にあり、さまざまな護符が伝承されている。

 

 信濃国分寺では、白いドロヤナギの木を六角柱にし「蘇民」「将来」「子孫」「人也」「大福」「長者」の文字と模様が書き込まれる。

 護符作りでは、頭の六角すいの形状などを切り出すのに伝統の「蘇民包丁」を使う。

頒布習俗は国選択無形民俗文化財、蘇民将来符は市指定民俗文化財。
 

 今年の作り始めは、原木の切り出しが遅れたため、若干延期されていた。

 

 この日は蘇民講が集まり、蘇民包丁で切り出した。

 

 塩入住職は別室で書き入れを行った。

 

 山越会長(71)は「マスクの無い日常のありがたみに気付き、取り戻したいと願いながら作業している」と話した。
 

 塩入住職(67)は「新型コロナウイルス感染症が流行した。科学や医療は発達したが、すべてが解決するわけではない。日本人の神仏信仰はどういうものか、あらためて皆さまと考えたい」と話していた。
 

 大縁日は例年5から6万人が参拝し、1月7日と8日に実施している。

 

 来年は今年に引き続き「新型コロナ対策」として期間を延長して混雑を緩和する方針。

 

 蘇民将来符は例年と同じく、大きさの違う各種合わせて約1万2000体を準備する。

 ★予定時間は

 7日は午前10時から午後11時頃。

 8日は午前8時から午後4時頃。

 9日は午前9時から午後4時半頃。