【ブラインドメイクを試す生徒】
上田千曲高校生活福祉科の3年生10人はこのほど、オンラインで「ブラインドメイクの講習」を受けた。
視覚に障がいのある人の社会生活を支援する技術を学部が目的。
ブラインドメイクとは、目が見えない人が鏡を使わずに自分の両手指を使い自身で化粧をする技法。
2010年に「(公社)化粧療法協会会長」の大石華法さんが開発した。
この日は、ブラインドメイクの講師として活躍する(一社)日本ケアメイク協会の認定化粧訓練士で、諏訪赤十字病院の視能訓練士、今井美和さんとオンラインでつながり指導を受けた。
同校は、障がいのある人との交流や体験学習を積極的に行っており、市内の盲導犬ユーザー、角谷美由紀さんも当事者として参加した。
講習では視能訓練士の今井さんが仕事を目指すきっかけなどを説明。
眼科で患者さんと接する中で、メイクに失敗していたり眉毛が描けないことで外出に不自由を感じる人がいる状況を知って化粧訓練士も志すようになったことなどを聞いた。
この後、生徒は2人1組になり、目を隠して口紅と眉のメイクを実践。
机に置いたトレーに化粧品を置き、順番に使うことで見失わないようにすることや、小指の先端に化粧品をつけ少しずつ指を動かし、力加減やスピードにも注意が必要なことを学んだ。
メイク後、目隠しを外し鏡で出来栄えを確認した。
講習を受けた武捨愛海さん(17)は「口紅はどこにあるのか、手に化粧品が付いているか、同じ濃さでメイクできているのか、声を掛けてもらわないとわからない。普段いかに視覚に頼っているか分かった」と話していた。