【中庭で行われた音楽会】

 

 

 小諸市の温泉旅館「中棚荘」はこのほど、地元作家の販売や展示、音楽などを集めたイベント「初恋りんご祭り」を敷地内で初めて開いた。


 同旅館ゆかりの文豪・島崎藤村の詩にちなみ、温泉にリンゴを浮かべる「初恋りんご風呂」の、今シーズン開始に合わせたイベント。

3日間の日程で実施し、リンゴをテーマとしたさまざまな催しを企画した。
 

 敷地内の蔵には、東信地域を中心に活躍する作家5人がアトリエとショップをオープンし、イラスト、写真、ステンドグラス小物などが並んだ。

 また、館内の渡り廊下やラウンジなどには県内作家らが作品を展示した。


 中庭にはキッチンカーが出店し、自家焙煎コーヒーやドーナツなどの販売があった。

同じく中庭と玄関前では音楽会を実施し、チェロ、ギター、ノルウェー民族楽器「ハーディングフェーレ」などの演奏や歌声が響いた。


 このイベント開催は、藤村と旅館の結びつきの記憶を新たにするとともに、次世代へつなげる活動のひとつ。

また、近隣への旅行や滞在型観光の関心が高まっている中、地域の魅力の発掘や再発見に繋げるねらいもある。
 

 同旅館の富岡直希社長は「多くの方々に発表や販売をしてもらい、地元内外から多くの人が訪れた。楽しんでもらい、皆さんがつながる機会になれば」と話した。