【60m離れた火点をめがけて放水する団員】
【落ち着いて避難する児童】
東御市立田中小学校(寺島努校長、483人)はこのほど、全校児童が参加して避難訓練を実施した。
「長野県で地震が発生。校舎が倒れる危険性がある」と想定。火災感知器が作動すると、教諭らは児童に「黙って慌てずに避難しましょう」と呼びかけ、教室や昇降口から校庭に避難した。
訓練には、市消防団第1分団から17人が参加。
消防団の役割や活動を説明した後、実際の消火活動をイメージし、放水の実演が行われた。
児童は、機敏で手際よい動きを目の当たりにし、驚いた様子で見入っていた。
小林純分団長は、一昨年の台風19号時の団活動を振り返り「田中橋、海野宿橋が被災する非常に大きな災害が、この東御市、田中地区で起きている。あの台風を忘れないでください」などと、児童に呼びかけた。
鉄也龍樹さん(12)は「消防士さんの行動の速さ、放水のスピードなど迫力がすごかった。自分も消防士さんのように人の命を助ける人になりたい」。佐藤あおいさん(同)は「(実演を)実際の災害の現場でやられているのは心強い。先生の話をよく聞いて、走ったり押したりしないで安全に避難したい」と話していた。
市内小学校では年3、4回、中学校では年2回の避難訓練が行われている。
小山隆文教育長は「消防団を、地域の安心を守る身近な存在と感じてもらうことが、市全体の防災意識向上につながる」として、消防団の避難訓練への参加を促していく考え。