【油彩「A嬢の肖像」前で解説する白鳥学芸員】

 

 

【水彩「中仙道」】

 

 

【公募展大賞作品が並ぶ第2展示室】

 

 小諸市菱平の市立小諸高原美術館・白鳥映雪館(清水茂夫館長)は「第3回丘の上の小山敬三展」を開いている。

 同市出身の洋画壇の巨匠・小山敬三の名品15点を展示。

 同時開催で「小山敬三記念小諸公募展の第35回記念展」として、過去10年間の大賞受賞作品も一堂に並ぶ。

 10月6日まで。


 第1展示室には、油彩「A嬢の肖像」=1955年=をはじめ、油彩「古城の一隅」=制作年不詳=や、日本画「紅浅間」=同=、上田中学(現・上田高校)在学中に描いた水彩「中仙道」や座右の銘「脩誠」の墨書、フランス修業時代の風景画など幅広く展示。


 白鳥純司学芸員は「このサイズで女性像(A嬢の肖像)は人々の目を惹く人気のある作品。

 今回、展示した作品は、制作年など不詳のものも多く、普段みることのできない貴重な機会となっている」と話す。


 また、同公募展の記念企画として、公募展審査委員3人の風景画作品も展示。

 審査委員長で小諸市の矢嶋正一さん(94)の新作・油彩「五月の千曲川河畔」などが並ぶ。

 

 第2展示室には、2011年から2020年までの「小山敬三記念大賞」受賞作品10点が並び、大木和久さんの油彩「晩秋の浅間山」=2011年=や、宮入謙三さんの水彩「2014年9月」=2014年=、三井弘夫さんの油彩「小諸大橋から街を眺む」=2020年=などを展示している。


 清水館長は「大賞作品は、個人所有や県外の作品もあるため一堂に並ぶことは珍しい。35回の節目に、近年の公募展を振り返りつつ、今後の発展につなげたい。公募は毎年170点ほどが集まり、70歳以上の応募が多いので、若い人の応募にも期待している」と話していた。
 

 開館時間は午前9時から午後5時。

 21日、27日、10月4日休館。

 入館料有料。

 (電話)0267・26・2070
 

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 丘の上の小山敬三展は、小山敬三美術館の開館当初30点ほどだったコレクションが、寄贈などで今では250点近くになり、コレクションの増加に対応した展示が難しくなっていた。

 

 平成30年度から小諸高原美術館を会場に小山作品を多くの人に見てもらう機会として開催、昨年は延期し今年で3回目。
 

 小山敬三記念小諸公募展は、もともと地元の児童らを対象とした「浅間山絵画フェスティバル」として始まり、今では全国規模の公募展として35回目を迎える。

 公募展の作品テーマは浅間山や千曲川、小諸やその周辺を題材とした「具象の風景画」で文化や行事を題材にしたものを含む。

 

 公募展の作品搬入は10月10、11、12日。

 

 審査日は10月14日「入賞・入選作品展」は10月17日から11月21日、同館。