小諸市在住の画家、大島康紀さんのアトリエ「天耕房」の庭に植えられているフジバカマには、今年も数多くの”アサギマダラ”が、群がっている。
庭はオープンガーデンとして公開中。
飛来は中旬にピークとなり、10月初旬には姿を消す。
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長距離を移動することで知られる渡りチョウ「アサギマダラ」が、9月初旬から東信各地に飛来している。
このチョウが好むキク科多年生植物「フジバカマ」の植栽地などで見ることができる。
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このフジバカマは大島さんが、地元団体「糠地郷蝶の里山会」の活動の一環として、4年ほど前に植栽した。
環境が良かったためか、その年に50匹の飛来を確認し、飛来数は年々増加傾向。
昨年は、200匹から300匹が乱舞した日もあった。
大島さんは、謎の多いアサギマダラの観察や研究、移動経路を調べるマーキング調査を行っている。
今年の夏は、高峰高原に滞在していたアサギマダラのマーキングを実施。
昨年までは、群馬や栃木から糠地に飛来する個体が目立っていたが、今回のマーキングにより高峰からも飛来していることが分かった。
高原で、同じくこのチョウが好む多年生植物「ヨツバヒヨドリ」が枯れる頃、チョウたちは南下を始めるとみられる。
また、今年、フジバカマの原種を植栽した。
アサギマダラ飛来の時期が異なる西日本に自生する種だといい、飛来や飛び去る時期などを観察するという。
「糠地郷蝶の里山会」の活動目的は、自然保護と活動を通じた地域住民連携の促進。地元に生息するチョウなどの無闇な捕獲の対策も模索している。大島さんは「訪れる人に、より自然保護に関心をもってもらいたい。また、親子で訪れてもらい環境を意識してもらうきっかけになればうれしい」と話した。
糠地郷蝶の里山会は会員募集中。
問い合わせ(電話)080・6994・0040(大島さん)
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〈アサギマダラ〉
チョウ目タテハチョウ科の大型のチョウ。
アサギ色の羽や優雅に飛ぶ姿が特徴的で人気が高い。
長距離を移動することで知られ、日本本土で発生したアサギマダラは秋に南下し、次の世代が春から夏にかけて北上する。
海を越え2500㎞の移動が確認された個体もある。
羽化後の寿命は4から5カで、南下と北上は同一個体による往復ではなく、別世代の個体の行き来となる。
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