【年次報告などを行う

小林委員長と茅野浩恵事務局次長】

 

 

 18歳までの子どもの悩み相談を全国共通フリーダイアルで受けている「チャイルドライン」で「チャイルドラインうえだ運営委員会」=小林彰委員長=はこのほど”2020年度の実績”や”今年度の受け手養成講座”を発表した。


 チャイルドラインは毎日、午後4時から午後9時に、子どもが無料で電話ができる子どもを支える取り組み。

 電話は0120・99・7777。

ダイヤルすると全国で活動する68団体のいずれかで電話を受ける。
 

 チャイルドラインうえだには、子どもからの電話を受ける「受け手」が28人(うち12人は都合で休止中。実働16人)。

電話を受ける時間は、隔週水曜日の午後4時から午後6時半と毎週木曜日の午後4時から9時。

2020年度は「新型コロナ」の影響から、それまで2回線で受けていた電話がほぼ1回線で、感染流行により17日間は休止したことから、電話を受けた数は例年の半分、1688件。

うち、長野県内からの発信でうえだが受けたのは190件。

偶然にも男子の相談が多く、会話が成立したのは46件。

リピーターと思われる子がいるという。
 

 ◆子どもからの電話は

 ▽母親との関係が悪くて精神的に不安

 ▽学校で友だちがつくれない

 ▽部活ができない

 ▽親が失業してしまい、住んでいる所を追い出されるかもしれない―など。
 

 小林委員長は「今、子どもが置かれている状況は厳しい。コロナ禍で、友だちや外での活動が制限されている。困りごとがあっても誰かに伝えることが難しい状況の子どもが増えていると考えている。チャイルドラインは今年度で16年目。15年間で約5万5000件の電話を受けた。電話の受け手ボランティアの募集のため、専門家による講座を開いているが、昨年度は新型コロナ感染拡大でやむなく中止した。しかし、受け手の皆さんが子どもに寄り添い、一緒に考える居場所づくりが非常に大切な活動になっているため、今年度はリモートで参加できるようにした」と語った。
 

  「第15期受け手養成講座」は、26日から11月27日の全12回。

 うち10回が公開講座で、受け手を目指す人だけでなく、子どもの現状などを知りたい人も受講できる。

 参加できるのは18歳以上の人で、1回500円(第1回のみ無料)。

 学生は無料。

 受け手ボランティアを目指す場合は全部の受講が必要で、参加費は6000円(学生は無料)。


 第1回講座は26日、午前1時から3時、オンライン(Zoom)で行う。

講師は、子育てアドバイザーで「NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク」理事の髙祖常子さん。

 「感情的にならない子育て~私たちにできること~」。

 定員100人。

 受講無料。

 申し込みメールなど、チャイルドラインうえだのサイトに掲載。

 

 

 問い合わせ(電話)090・3565・7086(平日午前10時から午後3時)。
 

 ◆2回目以降の講座は次の通り。
 ▽2(公開)10月9日午後1時から「愛着障がいについて」長野大学教授 川島良雄さん
 ▽3(公開)10月9日午後3時から「精神疾患の子どもについて」千曲荘病院・精神保健福祉士 児玉隆江さん
 ▽4(公開)10月16日午後1時から「自殺問題・『死にたい』に寄り添う」佐久大学准教授 朴相俊さん
 ▽5(公開)10月16日午後3時から「人間の性について」川中島の保健室主宰 白澤章子さん
 ▽6(公開)10月30日午後1時から「発達障がいについて」東信子ども・若者サポートネット 宮尾彰さん
 ▽7(公開)10月30日午後3時から「不登校って何?」登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク理事 島田均さん
 ▽8(公開)11月6日午後1時から「いじめについて考える」子ども・人権・エンパワメントCAPながの代表 矢島宏美さん
 ▽9(公開)11月6日午後3時から「虐待について」児童養護施設恵愛施設長 福原和隆さん
 ▽10(非公開)11月14日午後1時から「子どもの話を聴ける人になるために」兼重コーチング事務所代表 兼重尚子さん
 ▽11(非公開)11月27日午後1時から「自分の傾向を知る」精神保健福祉士 夏目宏明さん
 ▽12(公開)11月27日午後3時から「今、なぜチャイルドラインが必要か」長野県チャイルドライン推進協議会長 清川輝基さん