【大画面合成表示や分割表示が可能な

「4面マルチ対応モニタ」】

 

 

【テーブル上の画面で、

複数人で情報共有や書き込みができる】

 

  上田市は20日、このほど完成した「上田市総合防災情報システム」の内覧会を開催した。

 新本庁舎建設を機に「ICT(情報通信技術)」を活用した防災システムの整備を進めてきたもの。

 

 市は、一昨年の東日本台風での被害を踏まえ「災害に強い街づくり」の基盤強化を目的に、新しいシステムを導入。

 

 庁内プロポーザル方式により、東京都に本店を置くアジア航測㈱を設計施工に選定。

事業費約1億1200万円をかけて、システム構築を進めてきた。


 新システムでは、災害対策本部室となる新本庁舎4階に「55インチの4面マルチ対応モニタ」、タッチ操作や書き込み操作が可能な「V―CUBE Board」など、3台の映像ディスプレイを新たに設置した。


 また、市役所と避難場所や災害現場をインターネットで接続。

避難情報発令に役立つ気象、雨量、水位など、従来、別々に集めていた情報を自動的に集積。

対策本部で一元的に管理することで、市民への迅速かつ、きめ細かな情報配信につなげる。

さらに、SNS等で寄せられた情報は、最新のAI(人工知能)技術で解析することで、正確な発令判断に役立てるという。
 

 今回のシステムでは、インターネット接続が困難となった場合に備え、関係する国や県の機関を「専用回線(LGWAN)」に切り替えることで、防災情報システムの利用を可能とする補完的な機能も整えた。
 

 市民は、市のホームページとリンクする「上田市防災ポータルサイト」からアクセス。

新システムと連動した最新情報をスマートフォンなど、自身の端末から確認できるようになるという。


 市は、防災面の課題について「発災地の状況、避難所の不足情報など、初期段階の情報共有」と説明。

今回の整備でリアルタイムに変化を把握し、必要な情報を発信することで、地域の防災力向上もはかる考えを示した。

 

 今後は、定期的な運用訓練を実施し「今年度中の有効活用を目指したい」とした。