上田市は1日「サテライト市長室」2021の2日目を”真田地域”で行った。

 

 土屋陽一市長が各地で市民と意見交換して市政に生かす取り組みで、真田地域では真田地域自治センター地域振興課が担当し、地域内の3団体と自治センターなどで懇談した。
 自治センターでは、一人暮らしのお年寄りの生活支援を行う横尾地区の「Yoko―クラブ」と、高齢者クラブの「真田地域長寿会」と懇談。

 

 ◆高齢者など住民の活動拠点づくりを「Yoko―クラブ」

 

【Yoko―クラブの

樋口さん、竹内さんと記念写真】

 

 


 

 「Yoko―クラブ」からは代表の樋口俊文さんと、福祉活動を行う竹内洋一さん(下郷沢、現自治会長)が訪れた。

クラブは平成27年設立の団体で、高齢のため困難な車のタイヤ交換、草刈りや雪かきを行い、地域で自立した生活が続けられるサポートを行っている。

樋口さんは横尾の高齢化の現状からクラブ設立経過などを話し、草刈りサポートでは野菜作りを90歳代でも続けられた事例も紹介。

 

 「支え合いは単に住民だけでなく、官民連携のシステムづくりが必要で、困っている人の支援は自助からではなく、基本は公助として道をつくらないといけない」と話す。

新たな展開として郵便局の労働組合が参加。


 竹内さんは、支援活動の継続には1自治会単位ではなく、真田地域全体に広げるために「さなだ福祉のまちづくりを考える会」が昨年9月に設立した経過を説明。

高齢者や障がい者らさまざまな住民が集えて活動できる拠点づくりの要望を語った。
 

 

 

◆元気なシニア生かす仕組みを「真田地域長寿会」

 

【真田地域長寿会の

柳沢さん、竹倉さんと記念写真】

 

 

 「真田地域長寿会」からは会長の柳沢泉さん、相談役で前上田市高齢者クラブ連合会長の竹倉征祠さんが出席。柳沢さんが所属する単位クラブ「つくし寿会」の活動を紹介。

つくし寿会は加入率が高く、週2回の卓球など同好会活動が盛んで、草刈りや雪かきをする「お助け会」もある。

運動を取り入れた日帰り旅行、「寿会通信」の発行による広報活動、フレイル予防教室なども行い、令和3年全国老人クラブ連合会「活動賞」に県シニアクラブ連合会から推薦されたことも報告。


 一方、真田地域長寿会は単位クラブが13(自治会数は36)で782人(対象になる人は3000人余)ほどが加入しており、加入クラブ・会員の減少が課題になっていることから、単位クラブ実態調査を行い「望ましい運営像」を作成して提案した。

 

 「単位クラブでは役員のなり手がいない、魅力がないなど、このままだと自然消滅。昔の青年団と同じ。存在意義がないわけでなく、元気なシニアはたくさんおり、行政や介護、企業ができないすき間を埋める力、支える立場になる。平日の昼間にいる元気なシニアを生かす仕組み、組織化が必要」とし、各自治会の一組織としてシニアクラブを設置して活動を平準化、長寿会は「真田地域シニアクラブ連絡会」に組織を変えるなどの構想を語り、市のサポートを要請した。
 

 

 

◆広報活動に力「真田の郷まちづくり推進会議」

 

【真田の郷まちづくり推進会議の

正副会長らと記念写真】

 

 

 真田地域の住民自治組織「真田の郷まちづくり推進会議」との懇談は、本原小学校近くの事務所で行った。事務所は設計事務所だった特徴的な建物。坂口純一会長、荒木克子副会長、今川純一副会長、久保恒信事務長が土屋市長を迎えた。


 真田の郷まちづくり推進会議はスタートしてから4年、自治会役員の充て職にならないように「手上げ方式」で組織ができており、地域づくり総会には誰でも参加・発言ができる。

 この4月に会長などの改選を行った。


 坂口会長は「充て職でないため、地域の皆さんに認知してもらうためには広報をしっかり行うことが重要で、年4回の新聞を発行している。

 まちづくり計画では、福祉、教育子ども文化、総務広報、防犯防災、自治コミュニティの5つの部門で事業計画がある」と話し

 「支え合い会議(フードバンク・フードパントリーの開催など)」

 「地域包括支援事業(中学生以上全員を対象にした移動と買い物の課題調査、地域資源マップ作成)」

 「子どもの学び事業(小学生を対象にした体験学習で中学生がボランティアで活躍)」

 「PTA連絡会合同講演会」

 「文化・環境推進活動事業」「集落全員アンケート事業」

 「地域防災部」など数多くの事業を説明した。


 懇談会以外に福祉施設のあり方について、築半世紀近い真田総合福祉センターなどの視察を行った。