【オンラインで行われた感謝状贈呈式】

 

【一般投票のデザイン案、採用は1番】

 

 小諸市はこのほど、害獣として駆除したニホンジカを有効活用した小諸産鹿革製品の、ロゴマークとブランド名「KANOWA(かのわ)」を決定した。


 決まったロゴマークは「鹿革」と「小諸の歴史」がモチーフ。

甲冑の「甲」の文字を使用し、個性的なデザインに仕上がっている。今後、名刺入れなどの同鹿革製品に刻印される。

 ブランド名は「鹿の輪」を意味する。


 市は、駆除されたシカの命を無駄にせず活かす事業として「Shika─Kuruwa─Project」に取り組んでいる。

 

 シカによる被害は全国的な問題で、駆除されたシカは一般的に、燃えるゴミ・埋め立てゴミとして処分される。

市では肉のペットフード化や皮の鹿革製品化を進めることで資源として活用する方針を掲げている。今回、この鹿革製品の認知向上や普及を目指して、ロゴやブランド名を決めた。


 デザイン制作やブランド名考案は、平成29年から市と連携協定を結ぶ「日本写真芸術専門学校」=東京都=へ依頼。

同校フォトソーシャルビジネス科の学生4人が昨年11月、小諸市に3週間滞在し、シカの捕獲や解体などの取材を重ねたうえで、それぞれが複数の「デザイン案」を提出した。


 今年4月、市内に設置した投票箱やインターネット上で、採用デザインを決める一般投票を実施。

一次審査を通過した5案に、全国から424票の投票があり、そのうち145票を獲得したデザイン案が採用となった。


 感謝状贈呈式はオンラインで実施し、小泉俊博市長や同校学生3人らが出席した。

 

 採用案をデザインした同校3年の今井拓真さんは「他の学生ではできない貴重な経験ができた。カッコよさや歴史を、他に無いデザイン制作を心掛けた」と話していた。


 鹿革製品は相生町の婦人服や用品の「NAOMI」などで販売。

 「ふるさと納税の返礼品」としても入手できる。