【感謝状を受けた石川住職(中央)】

 

 

 上田地域広域連合消防本部はこのほど、上田市塩川の天台宗「円融寺」=石川賢明住職=に「感謝状」を贈呈した。

 感謝状は、建物火災の「初期消火」と「人命救助」を行った功績。

 

 火災は1月5日夕方、円融寺から直線で200mほどの店舗でコンロから出火。

石川住職(58)の長男、賢祥さんが建物の換気ダクトから炎が吹き出ているのを発見し119番通報。

賢祥さんの電話連絡で、石川住職は妻の敦子さんと寺に備えてある消火器2本を持って車で駆けつけ、初期消火を行った。

 

 石川住職は店を利用していたことから間取りなどは知っていた。充満している建物内に人が取り残されていることを知ったため、建物東側の配管を登って高さ約3mの窓から建物内に入り、取り残されている人を発見、建物東側の窓を全開にして排煙を行った。

駆けつけた消防隊に、取り残された人の位置を伝え、無事救出された。


 感謝状を贈呈した堀池正博消防長は「救助活動を行っていただいた結果、逃げ遅れていた方は無事に救出された。消防職員でも大変緊張する状況。皆さんの勇気ある行動に感謝したい」と礼を述べた。


 石川住職は「煙がすごくて怖いと感じた。(消火と救助は)当然のことで、延焼もなく、人も無事救出されて良かった」と話していた。