「音楽は人の心に訴えるものがある。心と身体をいやす力があると思います」。
 金井りつこさんは上田市高齢者学園で音楽レクリエーションの授業を担当し、童謡唱歌・愛唱歌クラブの講師を務める。


 音楽レクリエーションの授業では「青い山脈」「高原列車は行く」など昔の歌謡曲を歌いながら身体を動かす。「高校三年生」の時は女性は三つ編みの髪とセーラー服のカラーを付け、男性は学生服を着て歌い、大いに盛り上がる。


 金井さんは結婚を機に保育士を辞めたが、10代のころから強い思いを抱いていたボランティア活動に役立てようとピアノや電子オルガン、リトミックなどの勉強を続けた。


 40代で音楽仲間とボランティアグループを結成し、高齢者施設などを訪問する活動を30年以上続けてきた。
 「あがり症で、授業のある日は朝からドキドキ。恥ずかしさと緊張感で毎回、胸がつぶれそうになる。でも始まってしまえば自分ものってきて元気に。大きな声で歌うとすっきりします」。


 「コロナ禍」で活動が制限されることは少なからず打撃。

「不安もあるが音楽は生きがい。細く長く、しっかりと続けていきたい」。