【大日如来像(資料画像)】
【木戸を開ける若林住職】
【手を合わせる人の姿も】
【拝観客が列を作った】
2019年10月の台風19号で被災した上田電鉄別所線が28日、全線開通した。
上田市別所温泉の宗教法人曹洞宗「安楽寺」では、国宝の八角三重塔内部の「大日如来像」を特別公開した。
別所線開通に合わせて1日限定で公開したもので、拝観を心待ちにしていた数百人が訪れた。
当日は、午前9時半からの公開を前に、拝観受付前に50から60人が列を作って並んだため、急きょ開始時間を繰り上げて行われた。
若林恭英住職(69)は、訪れた大勢の人を前に、同寺の歴史などについて説明。
その後、1階部分の木戸を静かに開けた。厳かな大日如来像の佇まいに、思わず手を合わせ、拝む人の姿も見られた。
大日如来像の公開は、これまで学術的調査以外では行われたことがなく、一般公開は「歴史上初めて」と若林住職。
「(日本遺産の)レイラインの登録とも重なり、公開の機会を得たことに縁を感じる。次の世代に文化財を継承する大きな要素になり、寺としてもありがたい。これを機に、多くの方と縁を結ぶきっかけになって良かった」と話した。
市内から、小学4年の男児と拝観に訪れた30代母親は「重厚な歴史を感じた。橋がつながったご縁で拝観できて嬉しい」。70代の夫婦は「涙が出た。良いご縁がありそう」などと話していた。
国宝の「八角三重塔」は、構造材に用いた用材の伐採年代が1289年と判明。
鎌倉時代の1290年代の建立とされ、国内最古の禅宗様建築として、その名を知られる。


