【渡辺社長】

 

【合弁会社「FUJIFILM YUWA」】

 

 

 小諸市に本社や工場がある㈱ユウワは、高度な金型技術を有し、情報通信端末や医療などの微細精密モールド部品(プラスチック成型品)を手掛ける

 中国とベトナムに拠点があり、グローバルにものづくりを展開。

 渡辺稔社長(49)に近況を聞いた。


 ◆大きな取引分野は?
 近年は、スマートフォンやタブレットなどの部品が強い。日本ユウワの取引の70%以上は海外で、グループ全体ではさらに海外比率が高い。


 ◆今期の業績は?
 前期を上回る業績。新型コロナウイルス感染症の影響による、巣ごもり需要や情報通信機器需要が増えたことが要因とみられる。

 需要の先食いという側面が懸念。


 ◆新たな展開は?
 昨年5月、富士フイルム㈱(本社東京)とユウワが、診断薬製造のための合弁会社「FUJIFILM YUWA MEDICAL PRODUCTS VIETNAM COMPANY LIMITED」を、ユウワのべトナム法人内に設立した。

 同年11月から本格稼働している。

 同12月には、新型コロナ検査抗原検査キットの生産体制を整えるため、富士フイルムの設備投資が決定した。

 出資比率は富士フイルム51%、ユウワ49%。


 ◆新型コロナの業務への影響は?
 海外との行き来が難しいが、通信による連絡や会議などを積極的に取り入れ、逆に以前よりも親密なやりとりができるようになった。


 ◆ものづくりや人材活用は?
 若い世代には、日本のものづくりは弱い存在と、思われているかもしれない。

 目を向けてほしいのは、ものを作り出すことが強みで、国力に繋がっていくということ。

 外国人実習生や女性新入社員を採用し、技術教育に力を入れている。


 ◆今後の展望は?
 これまで少なかった医療の仕事を広げていけるように考えている。

 情報通信端末の部品は価格も厳しくなると考えられるため、生産効率を上げることに気を使っている。

 ベトナムの第2ファクトリー敷地内には、複合的な業務を担う新たな工場建設を計画している。


 ◆このほかの活動は?
 社としては年5回、地域貢献活動としてインターの入口まで草刈りなどをやっている。

 また、ユウワのキャラクターを活用するようになり、ぬいぐるみも制作して配った。


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 従業員数は日本が230人、中国が500人、ベトナムが1300人。

 今期の売り上げの見通しは、日本が70億円、中国が25億円、ベトナムが40億円。